OpenCVでカメラ画像から自己位置認識 (Visual Odometry)

書籍ROSではじめる ロボットプログラミング」を一通り読み終わって、何となくロボットの自己位置認識の重要性を感じている。



ロボット自身の移動量を計測する手法全般を”Odometry“と言うらしい。
中でも1番簡単なやり方は、車輪などの駆動装置の回転数を加算して移動距離とみなす方法。これはWheel Odometryとか呼ばれるらしい。この手法は手軽だがもちろん欠点もあって、車輪が滑るなどして空転した分も移動量として加算されてしまう。そのため、Wheel Odometryではロボットが遠くへ移動するほど、どんどん誤差が溜まってしまう。

これに対して、カメラ画像を使って自己位置認識を行うのがVisual Odometry(VO)という分野。ロボットの自己位置認識では、ステレオカメラやDepthカメラといった3Dカメラを用いたVisual Odometryの手法がたくさんあるようだ。

以前見たコレは単眼カメラで撮影した2Dの画像を用いて自己位置を認識するMonocular Visual Odometry手法の1つ↓
画像認識による位置情報取得 - Semi-Direct Monocular Visual Odometry (SVO)
今日たまたまTwitterのTLで見かけたやつ。単眼のカメラ映像からリアルタイムに位置情報を取得している。論文はこちらそして、GitHubにROSで動作するソースコードが公開されている。


この技術のすごさがやっと分かってきた。
このSVO(Semi-Direct Monocular Visual Odometry)はROSで試せるようですよ↓
http://kivantium.hateblo.jp/entry/2014/07/01/000651


スポンサーリンク


単眼カメラによるVisual Odometry技術に関するチュートリアル、およびOpenCVを使って実装したサンプルが公開されているのを知った↓
https://avisingh599.github.io/vision/visual-odometry-full/
https://avisingh599.github.io/vision/monocular-vo/


ソースコード(C++)はこちら

mono-vo

これは、OpenCV 3.0をベースにMonocular Visual Odometry手法(単眼カメラによる自己位置認識)を実装したものです。

アルゴリズム

基本行列の推定にNisterの5点アルゴリズムを使用し、トラッキングにはFAST特徴量とKanade-Lucas-Tomasi Feature Tracker(Lucas–Kanade法)を使用しています。
詳細はこちらのレポートこちらのブログ記事をご覧ください。

注意事項:
このプロジェクトはまだ相対スケールの推定精度が低いです。そのため、スケール情報はKITTIデータセットのground truthファイルから取得しています。


スポンサーリンク

見たところ、ソースコードはそれほど大規模じゃなさそうだけど、OpenCVを使うとそんなに簡単に書けちゃうものなのだろうか。

追記:中身を読んでみた↓



ここで出てくるKITTIデータセットというのは自動車ビジョン向けの大規模データセットらしいです↓

自動車ビジョン向けの新しい大規模データセット「KITTI Vision Benchmark Suite」



このVisual Odometry技術でロボットの移動量を正確に認識して、さらにその情報から地図を作成するところまで発展するとSLAMなんですかね。(良く解ってない)

2020年5月 追記:最近はPythonでVisual OdometryできるpySLAMというのがありますね↓
https://github.com/luigifreda/pyslam

2通りの再構成方法

カメラで撮影した連続画像(動画)から移動量を測るための再構成方法には大きく2通りあるらしい。

  • indirect (feature-based):画像から特徴点を抽出し、疎(sparse)な情報のマッチングで再構成する
  • direct:密(dense)な画素情報をそのまま使って再構成する

上記mono-voのコードは特徴点ベースだから、indirectな方法を実装しているということですね。

単眼カメラによるSLAMで有名なLSD-SLAMは、directな手法↓
http://vision.in.tum.de/research/vslam/lsdslam

LSD-SLAMのソースコードは公開されてはいるけど、まだ試せるほど知識がない。

追記:directな手法とindirectな手法を組み合わせたDirect Sparse Odometry(DSO)という手法があるらしい↓
https://vision.in.tum.de/research/vslam/dso



ソースコードもある↓
https://github.com/JakobEngel/dso

追記:第1回3D勉強会@関東でDSOについて解説されていました↓


スポンサーリンク

関連記事

AnacondaとTensorFlowをインストールしてVisual Studio 2015で使う
Google XML Sitemap Generatorプラグインを3.4.1へダウングレード
SONY製のニューラルネットワークライブラリ『NNabla』
PSPNet (Pyramid Scene Parsing Network):ディープラーニングによ...
OpenGV:画像からカメラの3次元位置・姿勢を推定するライブラリ
コンピュータビジョンの技術マップ
池袋パルコで3Dのバーチャルフィッティング『ウェアラブル クロージング バイ アーバンリサーチ』
UnityでTweenアニメーションを実装できる3種類の無料Asset
CGAN (Conditional GAN):条件付き敵対的生成ネットワーク
Unreal Engineの薄い本
MVStudio:オープンソースのPhotogrammetryツール
Google App Engine上のWordPressでFlickrの画像を貼る
科学技術計算向けスクリプト言語『Julia』
FCN (Fully Convolutional Network):ディープラーニングによるSema...
Runway ML:クリエイターのための機械学習ツール
OpenCV 3.1とopencv_contribモジュールをVisual Studio 2015で...
PeopleSansPeople:機械学習用の人物データをUnityで生成する
OpenCVで平均顔を作るチュートリアル
Googleが画像解析旅行ガイドアプリのJetpac社を買収
「ベンジャミン·バトン数奇な人生」でどうやってCGの顔を作ったのか
Live CV:インタラクティブにComputer Visionコーディングができるツール
Pythonの自然言語処理ライブラリ『NLTK(Natural Language Toolkit)』
Unityで画面タッチ・ジェスチャ入力を扱う無料Asset『TouchScript』
PyTorch3D:3Dコンピュータービジョンライブラリ
光学式マウスのセンサーを応用すると…
libigl:軽量なジオメトリ処理ライブラリ
Web経由でRaspberry PiのGPIOを操作したい
Mayaのシェーディングノードの区分
Blender 2.8がついに正式リリース!
タマムシっぽい質感
Maya API Reference
OpenCV 3.1のsfmモジュールのビルド再び
ZBrushのZScript入門
Kaolin:3Dディープラーニング用のPyTorchライブラリ
Autodesk Mementoでゴジラを3次元復元する
布のモデリング
ベイズ推定とグラフィカルモデル
顔検出・認識のAPI・ライブラリ・ソフトウェアのリスト
Boost オープンソースライブラリ
SSD (Single Shot Multibox Detector):ディープラーニングによる一般...
OpenCVでPhotoshopのプラグイン開発
SSII 2014 デモンストレーションセッションのダイジェスト動画

コメント

  1. […] monocular-visual-odometry-using-opencv [OpenCV][カメラ] […]

  2. […] OpenCVでカメラ画像から自己位置認識 (Visual Odometry) […]