ZBrushのTranspose Masterでポーズを付ける

過去、何度かこのキャラクターにリギングしてみた↓


Maya LTのQuick Rigを試す
ちょっと前に、人型3DMeshをアップロードすると半自動でボーンとのスキニングが完了するAdobeのMixamoというサービスがすごいすごいと言っていたわけですが。Maya LTにもQuick Rigというお手軽スキニングツールがあることに...

Maya LTでFBIK(Full Body IK)
Maya LTのQuick Rigという便利機能を知ったので、もうちょっと色々といじってみる。(楽しくなってきた)公式ドキュメントによると、Quick Rigの設定には大きく2通りあって、 ワンクリック(One-Click)で全て自動でスキ...


今度はBlenderでリギング、スキニング、アニメーションしてみようと思う。



今までこのモデルでMixamoやMayaのQuick Rigを試してみて、今の素立ちポーズではボーンへのスキニングがやりにくいことも分かってきた↓



腕を上げて脇を開いたポーズ、いわゆるTポーズやAポーズでないと、自動スキニングで脇周りのウェイトが混ざってグチャグチャになってしまう。
このキャラクターは肩に角とか付けちゃったので、Aポーズの方が良さそうだ。

ポーズ変更にはこちらの記事を参考にZBrushのTranspose Masterを使ってみよう↓
https://3dtotal.jp/tutorials/7145/

Transpose Master

Transpose Masterは、複数のSubToolで構成されたモデルにポーズを付けるためのプラグインです。
SubTool全てを一時的に低解像度の単一Meshに結合してポーズ付けを行い、そのポーズを元の高解像度Meshに反映することができます。

Transpose MasterサブパレットはZpluginパレットにあります。

まずは全てのSubToolを表示した状態で



ZPluginTranspose Masterから、ZSphereRigを有効にした状態でTPoseMeshボタンを押す。



全てのSubToolが結合された定解像度のSubToolが作成される。



ZSphereRigを有効にしておくと、そのままZSphereで骨を作成できる。



骨を配置したら、ToolRiggingBind Meshでスキニング。



ってやってみたら、脇のバインドがグチャグチャになってしまった。要するに、他のDCCツールでスキニングした時と同じ問題に遭遇した。
よくよく考えてみれば、ポーズを変えたいのは腕だけなので、Transpose Masterで結合してポーズ付けする意味がなかった(笑)

気を取り直して、胸、肩、腕だけのSubToolを表示してポーズ変更。
ZPluginTranspose MasterTPoseSubTで元のSubToolへポーズが反映される↓



脇がつられて変形することはなくなったが、肩や胸が伸びてだいぶ変形してしまった。生物の皮膚と考えると自然な変形なんだろうけど、このキャラクターの肩や胸は硬いアーマーのイメージでデザインしたので、伸び縮みはイメージに合わない。

普通にモデリング

Transpose Masterは諦めて、単純に通常のモデリングと同じ手順で腕のポーズを変えることにします。
腕以外の動かしたくない部分をMaskしておく。



Gizmo3Dで肩を中心に腕を回転。



Maskの境界付近にちょっとシワができてしまったのでSmoothブラシで修正。ついでに今までちょっと気に入らなかった肩の角の形も修正して、DynaMeshをかけた。
トポロジーが変わってしまったので、再びリメッシュとデイティールの転送を行った。



これで一応Aポーズへの変更は完了。

モデルを眺めていると欲が出てくる。手のパーツもモデリングし直したくなってきたぞ。

関連記事

3Dグラフィックスの入門書

リメイク版ロボコップスーツのメイキング

ラクガキの立体化

ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 Clay Polish

昔Mayaでモデリングしたモデルをリファインしてみようか

BSDF: (Bidirectional scattering distribution funct...

ラクガキの立体化 分割ラインの変更・バランス調整

MPFB2:Blenderの人体モデリングアドオン

ZBrushでアマビエを作る その2

CGのためのディープラーニング

MFnMeshクラスのsplit関数

ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 PolyGroupを分割する

Google Earth用の建物を簡単に作れるツール Google Building Maker 公...

『シン・ゴジラ』のコンセプトアニメーションのメイキング動画が公開された

Blenderでよく使うaddon

3D Gaussian Splatting:リアルタイム描画できるRadiance Fields

映画『ブレードランナー 2049』のVFX

ZBrush 2018での作業環境を整える

libigl:軽量なジオメトリ処理ライブラリ

MPC社によるゴジラ(2014)のVFXブレイクダウン

3Dスキャンしたテクスチャから照明を除去するUnityツール『De Lighting tool』

書籍『開田裕治 怪獣イラストテクニック』

Structure from Motion (多視点画像からの3次元形状復元)

布のモデリング

Adobe Photoshop CS4 Extendedの3Dモデル編集機能

HD画質の無駄遣い その2

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のVFXブレイクダウン

一般教養

Houdiniのライセンスの種類

ZBrushの作業環境を見直す

ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 横顔のシルエットをリファレンスに合わせる

第20回 文化庁メディア芸術祭『3DCG表現と特撮の時代』

Unity MonoBehaviourクラスのオーバーライド関数が呼び出される順番

粘土をこねるようなスカルプトモデリング

サンプルコードにも間違いはある?

ジュラシック・パークの続編『ジュラシック・ワールド』

グローバル化社会

ZBrushでリメッシュとディティールの転送

UnityでPoint Cloudを表示する方法

Shader.jp:リアルタイム3DCG技術をあつかうサイト

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる

ちょっと凝り過ぎなWebキャンペーン:全日本バーベイタム選手権 (MITSUBISHI KAGAKU...

コメント