Dlib:C++の機械学習ライブラリ

画像認識系の人達の間では、高性能な顔の器官検出(Face Alignment)が手軽に利用できることで知られているC++のライブラリ Dlib。(表記は大文字、小文字どっちなんでしょう?)
英語のWikipediaによると、2002年から開発されているかなり歴史のあるライブラリみたい。

公式ブログによると、最新バージョンのdlib 19.0からDeep Learning APIが備わったようです。

Dlib C++ Library

dlib

Dlibは、現実世界の問題を扱う高度なソフトウェアを実装するための機械学習アルゴリズムやツールを備えたモダンなC++ツールキットです。Dlibはロボット工学、組み込みデバイス、携帯電話、巨大なハイパフォーマンスコンピューティング環境など、産業・アカデミック分野を問わず幅広い分野で利用されています。Dlibのオープンソースライセンシングにより、任意のアプリケーションに無料で利用できます。

Dlibの開発ソースコードのフォロー、または開発への参加はdlib on githubから。また、プロジェクトにコードを提出する予定であればHow to Contributeのページをお読みください。

dlibのライセンスはBoost Software License 1.0(BSL 1.0)なので、ソースコードも丸ごと配布する場合を除き、著作権表示なしでも商用利用可。(とても緩いライセンスですね)

C++で使えることを強調してるけど、Pythonバインドもある。機械学習以外の様々なツールも盛り込まれていて、一見すると何がメインのライブラリなのか良くわからないですが、オイラは機械学習のライブラリと捉えています。


スポンサーリンク


ということで、GitHub上のリポジトリはこちら↓
https://github.com/davisking/dlib

Face Alignment

Face Alignmentに関する公式ブログの記事はこちら↓
http://blog.dlib.net/2014/08/real-time-face-pose-estimation.html
Real-Time Face Pose Estimation

データをOpenCV形式に変換する関数も用意されているし、公式にWebカメラの画像からリアルタイムにFace Alignmentを実行するサンプルコードが公開されているので、本当に簡単なんですよね↓
http://dlib.net/webcam_face_pose_ex.cpp.html

こちらがDlibのFace Alignment↓



ちなみに、顔の検出処理もOpenCVと異なっているらしく、OpenCVの顔検出との性能比較動画が公開されている。
青い丸がOpenCV、赤い矩形がdlibによる顔検出。↓



4月に第33回 コンピュータビジョン勉強会@関東でも紹介されてた。↓


スポンサーリンク

2018年5月 追記:現在は同じ検出アルゴリズムがOpenCVのFacemark APIにも実装されています↓


Deep Learning API

Dlibバージョン19.0で新しく入ったDeep Learning APIについて公式ブログで説明されている↓

A Clean C++11 Deep Learning API

A Clean C++11 Deep Learning API

ざっと要約すると、

C++11規格に則ったDeep Learning APIで、CPU, GPUでの演算に対応。NVIDIAのDeep LearningライブラリcuDNNにバインドされていて、複数GPUを利用した学習が可能。
ImageNetを34層 Deep Residual Learningに基づいて訓練したモデル(?)が付属し、それを利用した実装サンプルはこちら

追記:バージョン19.3からDeep Learningによる顔認識(認証とか照合?)ツールが加わったらしい。
http://blog.dlib.net/2017/02/high-quality-face-recognition-with-deep.html

本リリースで多くの新機能が追加されましたが、最も注目すべきはdlibのdeep learning APIを使った最先端の顔認識サンプルを含むdeep learningツールです。
詳しくは http://dlib.net/dnn_face_recognition_ex.cpp.html をご覧ください。

Deep Face Recognitionのサンプルコードはこちら↓

http://dlib.net/dnn_face_recognition_ex.cpp.html


スポンサーリンク

関連記事

ManuelBastioniLAB:人体モデリングできるBlenderアドオン
AndroidもopenGLも初心者さ (でもJavaは知ってるよ)
リアルタイム レイトレーシングAPI『DirectX Raytracing (DXR)』
iPadをハンディ3Dスキャナにするガジェット『iSense 3D Scanner』
Webスクレイピングの勉強会に行ってきた
TensorFlowでCGを微分できる『TensorFlow Graphics』
UnityでOpenCVを使うには?
UnityのGameObjectの向きをScriptで制御する
Point Cloud Utils:Pythonで3D点群・Meshを扱うライブラリ
NeRF (Neural Radiance Fields):機械学習による未知視点合成
AnacondaとTensorFlowをインストールしてVisual Studio 2015で使う
Russian3DScannerのトポロジー転送ツール『WrapX』
OpenFace:Deep Neural Networkによる顔の個人識別フレームワーク
CycleGAN:ドメイン関係を学習した画像変換
Mayaのシェーディングノードの区分
MRenderUtil::raytrace
Adobe MAX 2015
写真に3Dオブジェクトを違和感無く合成する『3DPhotoMagic』
定数
pythonもかじってみようかと
RefineNet (Multi-Path Refinement Network):ディープラーニン...
openMVGをWindows10 Visual Studio 2015環境でビルドする
データサイエンティストって何だ?
OpenCV 3.1のsfmモジュールのビルド再び
iOSデバイスと接続して連携するガジェットの開発方法
手を動かしながら学ぶデータマイニング
Mayaのプラグイン開発
Mayaのレンダリング アトリビュート
WordPressのテーマを自作する
MeshLab:3Dオブジェクトの確認・変換に便利なフリーウェア
PythonでMayaのShapeノードプラグインを作る
UnrealCV:コンピュータビジョン研究のためのUnreal Engineプラグイン
Open Shading Language (OSL)
書籍『仕事ではじめる機械学習』を読みました
Pix2Pix:CGANによる画像変換
SegNet:ディープラーニングによるSemantic Segmentation手法
UnityでTweenアニメーションを実装できる3種類の無料Asset
3Dスキャンに基づくプロシージャルフェイシャルアニメーション
ニューラルネットワークと深層学習
Pythonのソースコードに特化した検索エンジン『Nullege』
ディープラーニングに対応したPythonの機械学習ライブラリ『Pylearn2』
Unity ARKitプラグインサンプルのチュートリアルを読む

コメント