アメリカのポップカルチャーの祭典「New York Comic Con 2015」で、KADOKAWAが「ガメラ」の生誕50周年記念映像を初公開された。(コミコンは映画「TED 2」にも出てきたね)
それに合わせてガメラ生誕50周年特設Webサイトと記念映像のショートバージョンが公開されてた。
「ガメラ生誕50周年」特設サイト
CGWORLD.JPでは早くも監督のインタビュー記事がアップされている。↓
スクープ! 日本のVFXを新たなステージへ導くのか、『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)で石井克人監督がめざすもの。
監督に抜擢されたのは、CMディレクターとして幅広いジャンルで活躍する鬼才・石井克人氏だ。コミコンのために渡米する直前、石井監督に企画の経緯を訊いた。
「これはいわゆるパイロット版と言っていいと思います。自分たちもそのつもりで制作していました。僕らは基本的にCMのチームなので、大規模な映画は簡単には制作できません。けれど、今回は当初から4〜5分程度の短編ということでオファーをいただきました。特撮展のようなところで上映するものを50周年記念でつくるという企画だったんですよ」。
このインタビュー記事によると、この映像に出てくるガメラは着ぐるみではなくフルCGで描いているようだ。
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ここ最近、国内外で日本の特撮怪獣テイストをフルCGに昇華させた映像を見る機会が増えたきた。
もちろん、フルCGとなると長編ものは大規模予算を投入したハリウッド映画だけだけど、短編なら日本の作品でも結構見応えのあるものが制作されている。すでにCMの世界では日本制作でかなりしっかりとしたCG映像がたくさんあるので、短い尺であれば日米の差は結構埋まっている印象を受ける。
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コンテンツの情報密度の話
少し前にYouTubeで公開されたフルCGのウルトラマンが登場するショートムービー「ULTRAMAN n/a」にしても、尺が短く、そのため高密度で存在感のあるCG映像だった気がする。
以前読んだ書籍「コンテンツの秘密」に登場する「情報量」という言葉を引用すると、当然「情報密度」という概念も生まれてくると思う。
ここで言う「情報密度」というのは、コンテンツの時間あたりの情報量のこと、映像なら尺あたりの情報量ということになる。映像の魅力を左右する「主観的情報量」を増やすのは手間がかかる。手間がかかるということは、時間もお金もかかる。
今回のガメラの映像も、4~5分程度の短編とすることで世界(ほとんどハリウッドを指す)にも通用する情報密度を保っているように思える。
インフラの変化とコンテンツの尺の変化
今回のガメラの映像の監督がCMのディレクターということを考えると、旧来の「映画監督」とは少し違う種のクリエイターが今後の「特撮もの」を担うのではないかとちょっと予想している。
映画が娯楽の主役だった頃の映像演出と、テレビ放送というインフラが主流になって、CMで溢れる時代の映像演出はかなりパラダイムが違うと思う。もっと言うと、今はテレビCMよりもネットムービーのパラダイムの時代かもしれない。
映像演出のパラダイムを長いスパンで眺めてみると、結構映像インフラの変化(進化?)が影響してるんじゃないかと。そして、時代と共により尺の短いインフラへと移っている感じ。最近は6秒間の動画を共有するVineってのもある。オイラはもはやVineの登場にユーザーとしてついて行けていないのだけど、距離を置いているからこそ冷静に見ることはできるかな。
6秒動画の「Vine」、日本におけるユーザー急増にみるメディアのあり方
新しいタイプのクリエイターを育む土壌
新しいタイプのクリエイターの登場は、そういった次世代のインフラが土壌となるんじゃないだろうか。
映画に対するCMのような関係は、書籍に対するブログ・Twitterのように、尺が短いからこそ作り手の裾野が広く、新しいパラダイムが生まれやすいと思っている。
次世代の怪獣映像は次世代のインフラから生まれるんじゃないかと密かに期待。
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