もう半年前のことですが、昨年12月に東京国際フォーラムで開催されたSiggraph Asia 2018 Tokyoで聴講したCourse CreativeAI:Deep Learning for Graphicsの復習を(今頃)しておこうかと。
「CGのためのディープラーニング」とか「CGに使えるディープラーニング」という趣旨でしょうか。
途中休憩を挟んだとはいえ、3時間を超えるセッションは結構しんどくもあり、すぐに咀嚼できなかったのである。
幸い、Courseの資料はWebで公開されている↓
CreativeAI:Deep Learning for Graphics
近年、古くからコンピューターグラフィックス分野で課題とされてきたことの多くが、データドリブンな手法 ディープラーニングの登場によって上手く扱えるようになってきた。deep networkは様々な課題設定で利用され、従来のハンドクラフトな手法に圧倒的な差をつけてstate-of-the-artを達成している。
本チュートリアルでは、ディープラーニングの理論、実践、そしてグラフィックス分野へ応用事例を解説する。
いつのまにやらページが更新されていた。このCourseはSiggraph Asia 2018だけでなく、Eurographics 2018でもやってたんですね。
そして、どうやら今年の夏のSiggraph 2019でもこのCourseが設けられるらしい。CG分野でもディープラーニングの注目度はかなり高いようだ。
Courseのサンプルコード(Jupyter)も公開されている↓
https://github.com/smartgeometry-ucl/dl4g
とりあえず、Siggraph Asia 2018で使われた資料で復習していこう。
すでに機械学習やニューラルネットワーク、識別モデル(Discriminative Model)の基本的な知識があるなら、Part 1〜4は読み飛ばして、教師なし学習、生成モデル(Generative Model)についてのPart 5ぐらいから読み始めれば良い。
というか、オイラ自身がまだ教師なし学習や生成モデルについてあんまりよく知らないのである。
http://kento1109.hatenablog.com/entry/2018/01/10/111249
今のところ生成モデルについては
あるドメインの確率分布を学習した生成モデルに任意のパラメータを与えると、必ずそのドメインに収まる生成結果が出力される。
というレンダラのような存在と理解している。
GANの勉強しようと思ってたけど、Autoencoderからちゃんと見て行った方が良さそうだ。
- Autoencoder
- VAE:Variational Autoencoder
- GAN:Generative Adversarial Networks
Part 6で紹介されているように、生成モデルのグラフィックスへの応用は画像がかなり先行している。これはディープラーニングの識別モデルで画像を扱う研究が盛んな恩恵か。畳み込みニューラルネットワークが大活躍。
Part 7では、CG分野で使われる3Dデータをニューラルネットワークで扱えるベクトルの形に落とし込んで畳み込むための様々な工夫が紹介されている。
最近、GitHubで3Dのデータを扱った機械学習手法をまとめているリポジトリの存在を知った↓
https://github.com/timzhang642/3D-Machine-Learning
Part 8ではモーションのパラメータを少ない次元に圧縮して表現したり、粗い流体シミュレーションを超解像化したり。
そういえば、流体シミュレーションを機械学習で近似して高速化するアプローチもありましたね↓


う〜ん、復習しようにも案外スライドに載っている情報は少なかったな…
このCourseでは触れられてなかったけど、CGレンダリングの各プロセスを微分可能にするアプローチはどういうジャンルなんだろう。

Neural 3D Mesh Rendererが有名だけど。
https://qiita.com/no_more_syakai/items/f1358e33e8376ae1766d
http://ai-scholar.tech/treatise/renderer-ai-215/
とりあえずPyTorch実装を読んでみるか?
https://github.com/daniilidis-group/neural_renderer
CGのためのディープラーニングについて、もうちょっと詳しい情報がないかと探していたら、電子情報通信学会の総合大会で筑波大学の金森先生が講演したスライドが公開されていた↓
CG分野は人間が手作業で多次元のパラメータを編集していると考えると狂気の世界だけど、CGって従来そういう人達が牽引してきた産業なのよね。
パラメータをいじってはレンダリング結果を確かめる試行錯誤って、機械学習と似ている気もする。
追記:とりあえずGANについて勉強し始めた↓

2020年6月 追記:Hands-on Workshop Machine Learning and Neural Networksの動画が公開されたぞ↓
関連記事
ZBrush 2018での作業環境を整える
MVStudio:オープンソースのPhotogrammetr...
フリーのUV展開ツール Roadkill UV Tool
SIGGRAPH Asia
PCA (主成分分析)
SSD (Single Shot Multibox Dete...
Faceshiftで表情をキャプチャしてBlender上でM...
ZBrushCoreのTransposeとGizmo 3D
Zibra Liquids:Unity向け流体シミュレーショ...
Maya LTでFBIK(Full Body IK)
単純に遊びに行くのはだめなのか?
ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 爪とトゲを追加
フォトンの放射から格納までを可視化した動画
mentalrayのSubsurface Scatterin...
ZBrushで基本となるブラシ
トランスフォーマー :リベンジのメイキング (デジタルドメイ...
Photogrammetry (写真測量法)
ZBrushで仮面ライダー3号を造る ベース編
PolyPaint
データサイエンティストって何だ?
疑似3D写真が撮れるiPhoneアプリ『Seene』がアップ...
ヒーローに変身なりきりアーケードゲーム『ナレルンダー』
ちょっと凝り過ぎなWebキャンペーン:全日本バーベイタム選手...
Kubric:機械学習用アノテーション付き動画生成パイプライ...
レンダラ制作はOpenGL とか DirectX を使わなく...
Cartographer:オープンソースのSLAMライブラリ
オープンソースの顔の動作解析ツールキット『OpenFace』
C#で使える遺伝的アルゴリズムライブラリ『GeneticSh...
ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 脚のポーズ調整
MeshroomでPhotogrammetry
Unite 2014の動画
PeopleSansPeople:機械学習用の人物データをU...
ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 脚のトゲの作り直...
プログラムによる景観の自動生成
RefineNet (Multi-Path Refineme...
映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を観た
ラクガキの立体化 反省
注文してた本が届いた
Maya には3 種類のシェーダSDKがある?
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のVFXブレイ...
ラクガキの立体化 分割ラインの変更・バランス調整
ZBrushでゴジラ2001を作ってみる 身体のアタリを作る


コメント