OpenCVのバージョン3が正式リリースされたぞ

6月4日付でついにOpenCV 3.0の正式版がリリースされた。

さっそくOpenCV公式ページからインストーラーをダウンロードしたら、ページ上で以下の動画が再生された。

Google Summer Of Code 2014 contributions for OpenCV



これはGoogle Summer Of Code(GSoC) 2014の成果をまとめたムービーで、そのうちOpenCVに取り込まれるかもしれない機能らしい。GSoC自体はOpenCVだけじゃなくて、PCLなど、他のOSS向けプロジェクトもあるみたい。



この動画の中で個人的に気になっている機能が2つある。1つは、被写体の色成分と反射成分を分離するIntrinsic Image Decompositionという機能。そしてもう1つは、DTAM(Dense Tracking and Mapping)という技術を実装した機能。

DTAMとは?

DTAMは単眼カメラでリアルタイムに3次元空間をトラッキングする技術。良く知らなかったんだけど、登場したのは結構前で、2011年にICCVで発表されたものらしい。
まだ粗い理解だから大ざっぱに言うと、同じく単眼カメラによるリアルタイム3次元トラッキング技術として有名なPTAM(Parallel Tracking and Mapping)との大きな違いは、PTAMが疎な特徴点をベースに再構成を行うのに対して、DTAMでは画素単位で密に再構成を行うという点。(まあ、”Dense”という名前の通りですね)



調べてたらこんな資料を見つけたのでのんびり読もうと思う。↓



OpenCV 3.0自体は、全体の名前空間が整理されて、C++インターフェイスへの統一が図られてるっぽいので、構成がだいぶモダンになった印象。
dandelionさんがOpenCV 3.0のサマリーを何となく日本語訳したものを公開している。

GSoC 2013,2014プロジェクトの成果がOpenCV 3.0やopencv_contribに取り込まれました.

  • text detection
  • many computational photography algorithms (HDR, inpainting, edge-aware filters, superpixels, …)
  • tracking and optical flow algorithms
  • new features, including line descriptors, KAZE/AKAZE
  • general use optimization (hill climbing, linear programming)
  • greatly improved Python support, including Python 3.0 support, many new tutorials & samples on how to use OpenCV with Python.
  • 2d shape matching module and 3d surface matching module
  • RGB-D module
  • VTK-based 3D visualization module

2015/07/28 追記:
dandelionさんがBuild Insiderの記事をOpenCV 3.0対応版に改訂したみたい。

OpenCVとは? 最新3.0の新機能概要とモジュール構成

OpenCV 3.0ではOpenCV 2.4.xにあったモジュールのうち、一部のモジュールが、機能ごとに細分化されています。そのため、OpenCV 2.4.xのコードを3.0でも流用する場合は注意が必要です。

モジュール名(2.4.x) モジュール名(3.0) 細分化の概要
highgui highgui GUI(ウィンドウ表示) 左記のように、機能ごとにモジュールが細分化
imgcodecs 画像ファイル入出力
videoio 動画ファイルの入出力、カメラキャプチャ
gpu cudaarithm 機能ごとにモジュールが細分化
各機能の説明は割愛)
cudabgsegm
cudacodec
cudafeatures2d
cudafilters
cudaimgproc
cudalegacy
cudaobjdetect
cudaoptflow
cudastereo
cudawarping
cudev

この辺は気を付けよう。

2015/09/15追記:
OpenCV3.0に対応した日本語の書籍が出るようです。↓


OpenCV 3 プログラミングブック

2015/10/03追記:
購入した↓
https://blog.negativemind.com/2015/10/03/opencv-3-programing-book/

関連記事

HDDの中身を3Dで視覚化するフリーソフト「StepTree」

OpenAR:OpenCVベースのマーカーARライブラリ

UnityのGameObjectの向きをScriptで制御する

ツールの補助で効率的に研究論文を読む

犬が電柱におしっこするように、僕はセカイカメラでエアタグを貼る(初日の感想)

大人の知識で玩具の改造

Unity Scriptコーディング→Unreal Engine Scriptコーディング

PCの自作

ZScript

ニューラルネットワークで画像分類

Raspberry Pi 2を買いました

Unity ARKitプラグインサンプルのチュートリアルを読む

ZBrush キャラクター&クリーチャー

CM

この本読むよ

Raspberry Piでセンサーの常時稼働を検討する

Adobe MAX 2015

ゴジラのスマホゲーム『Godzilla: Strike Zone』

Kinect for Windows V2のプレオーダー開始

TeleSculptor:空撮動画からPhotogrammetryするツール

Google App Engine上のWordPressでFlickrの画像を貼る

書籍『GODZILLA GRAPHIC COLLECTION ゴジラ造型写真集』が出るぞ

機械学習で遊ぶ

U-Net:ディープラーニングによるSemantic Segmentation手法

クライマックスヒーローズ

株式会社ヘキサドライブの研究室ページ

書籍『ROSプログラミング』

機械学習に役立つPythonライブラリ一覧

全脳アーキテクチャ勉強会

SSD (Single Shot Multibox Detector):ディープラーニングによる一般...

Accord.NET Framework:C#で使える機械学習ライブラリ

小説『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』読了(ネタバレ無し)

iPhoneで3D写真が撮れるアプリ『seene』

C++ 標準テンプレートライブラリ (STL)

線画を遠近法で描く

MB-Lab:Blenderの人体モデリングアドオン

1枚の画像からマテリアルを作成できる無料ツール『Materialize』

ミニ四駆で電子工作

疑似3D写真が撮れるiPhoneアプリ『Seene』がアップデートでついにフル3Dモデルが撮影できる...

Runway ML:クリエイターのための機械学習ツール

YOLO (You Only Look Once):ディープラーニングによる一般物体検出手法

Microsoft Mathematics:数学の学習支援ツール

コメント

  1. […] OpenCVのバージョン3が正式リリースされたぞ […]