ZBrushで仮面ライダーBLACK SUNを作る 頭部~バストの概形

10月末に配信が始まった「仮面ライダーBLACK SUN」全10話を視聴し終えて、(ストーリーはともかく)登場する造形物のカッコ良くてフィギュアが欲しくなった。
しかし、予約合戦に負けてS.H.Figuarts 仮面ライダーBLACK SUNは買えなかった。。。

なので、自分で作ってみようと思い立って軽率にZBrushで手を着け始めた。幸い、実際のスーツの展示を見る機会があったので資料も十分に揃っている。


身体のベース作成

BLACK SUNは怪獣と違って人型なので、既存の人体3Dモデルをベースとして利用する。ゼロから作るよりも時短になるし、すでに人体構造が整っている方が形状が破綻しにくくて失敗も防げる。
ZBrushのLightBoxにあるMale.ZPRを使おう。



サブディビジョンレベルを上げて、ある程度分割を増やしておく。



このモデル、ちょっとマッチョ過ぎる気はするけど、筋肉の形状が誇張されている分には削るだけで整うので楽。



全身が1つのSubToolでできているこの男性モデルを、関節箇所で適当に切断して各部位それぞれ別SubTool化し、長さ・太さや配置を調整。それぞれDynaMesh化し、手や指先などはディティールがつぶれ過ぎないようにある程度高解像度にしておく。
頭だけはゼロから作った方が楽そうなので、SphereのSubToolをMoveブラシで大雑把に整形して頭部に配置↓



何となく見慣れたヒーロースーツの体格に近づけたつもり。

頭部

頭部は、Sphereから始めて資料写真と見比べながらシルエットを似せ、DamStandardブラシでアタリの線を入れながらバランスを探った。線が多いデザインの方がバランスを捉えやすい。
度々‎全体にClayPolishをかけて形状を整理しながらひたすらいじり続けた。ディティールを作りやすいよう途中で適宜別SubToolへ分割してDynaMeshの解像度も上げていった。



顔の大体のパーツ構成は揃ったし、ある程度雰囲気も似てきた気がする。



後頭部はまだだいぶ解像度が粗い段階。



触角のアタリとして配置したSubToolが短いままなのは、細長いものを作る方法がよく分からないから。。。
CurveTubeブラシってのを使えば触角を上手く作れるだろうか。
https://tutusia.com/how-to-use-zbrush-curve

触角が短いと少しブラックRXみたいな雰囲気だな。


バスト

頭部のパーツ構成がある程度揃ったので、身体に目を向ける。毎度毎度、作っている内にどんどんディティールに意識が向いて終わらなくなってしまうので、なるべく意識して全体へ目を向けることを心掛ける。

頭部に合わせてバストのSubToolの位置やサイズを調整し、DamStandardでアタリのラインを入れながらここでも度々‎全体にClayPolishをかけて形状を整理。Pinchブラシでエッジを立ててシルエットを捉えていく。
特徴的なバッタの脚は、ある程度形状ができたら別SubTool化してDynaMeshの解像度を上げてさらに作り込んでいく。



肩と上腕はまだアタリ程度。胸の形状がまだ上手く捉えきれていないな。



バッタ脚はここからさらにトゲを作り込んでいかないと。



背中は割と平面なのでほとんど線の表現になる。まだ後頭部の解像度が低いので、頭から背中へ流れるラインまでは作れていない。



特撮のDNAではより劇中の雰囲気に近い状態に調整されたBLACK SUNスーツや他の造形物も沢山展示されているらしいので近々見に行きたい。

特撮のDNA 仮面ライダーBLACK SUN展―覚醒―

会期:2022年11月19日(土)~12月18日(日) ※会期中無休
営業時間:11:00~19:00 (最終入場18:30)
会場:GORGOM BASE (東京都板橋区志村 1-34-9 Studio Be 1号館 A スタジオ)

追記:見てきた↓



制作記事まとめページ↓
仮面ライダーBLACK SUN
Amazonプライム・ビデオで独占配信されている「仮面ライダーBLACK SUN」に登場する仮面ライダーBLACK SUNの模刻。配信開始前に予約受付が開始されたS.H.Figuarts 仮面ライダーBLACK SUNの予約合戦に負けたのが...

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