映画『仮面ライダー1号』を観て来た(ネタバレあり)

映画「仮面ライダー1号」を観てきた。
もうね、ボロボロ泣いちゃったんですよ。ヒーロー映画でたまに目頭が熱くなるとかはあるんだけど、映画館で涙をハンカチで拭きながら観ることなるとは。
これもう、ネタバレ無しには語れないぞ。



「主演 藤岡弘、」という表記に偽り無しで、確かに本郷猛の物語なのです。以下、ネタバレを含むのでご注意ください。



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45年間戦い続けた不器用な男

今回の映画では、完全超人 本郷猛ではなく、1人の人間として不器用さや弱さも描かれている。不器用というのは「技の1号」とかそういう技巧の話ではなく、人間としての不器用さ、ある種の真っ直ぐさみたいなもの。強い信念があるからこそ生まれる周りの人間とのギャップ・温度差が、年老いたおじさんの不器用さのようにも見え、本郷猛というキャラクターが魅力的に映る。
真っ直ぐ過ぎて、想いの伝え方が不器用な姿は演出なのか藤岡弘、の素なのか。

古い作品のキャラクターを無理矢理現代のドラマに投入すると必ず世界観のギャップがあるものだけど、そこがとても上手くキャラクター描写に活かされているように感じた。本郷猛というキャラクターが年齢を重ねている事実をごまかさずに描いてる。

45年も己の使命(=戦い)に捧げてきた男の姿が、仕事にフルコミットし続ける会社員の姿と少しダブって見えてしまった。仕事以外のことはあまりアップデートされずに年齢を重ねてしまったような。
立花藤兵衛の孫娘 麻由の希望で買い物や遊びに出かける姿は、少しぎこちなく、そういう生活とは無縁だったことを想像させる。麻由とオシャレなレストランで食事をする際の出で立ちも、少し場違いなサバイバルスタイルのままの本郷猛。映画の冒頭で、バンコクの小さな(すごく安そうな)食堂で食事をする本郷が描かれている分、この辺りが際立つ。本郷1人では絶対にオシャレな店に行きそうにない。この手の娯楽や贅沢は付き合う人間との関係性によって身につく要素だと思うが、45年間己の使命にフルコミットした男は不器用なままだ。

また、巨大な悪と戦う仮面ライダー 本郷猛とはいえ、社会的には裕福なわけでもなく、麻由に付き合うためのお金を稼ぐ必要がある。ここは賛否が分かれそうな描写だが、本郷は工事現場で肉体労働して小銭を稼ぐのだ。そして、実はそのこと、本郷が少し無理をしていることに麻由は気づいていた。IQ600の本郷猛も、古い世代の人間。他の働き方はできないということなのか。
こういう弱点の描写が後半すごく効いてきます。

新旧世代の対比

今回の映画に登場するショッカーは、歴史の長い、古臭い組織という面が強調されており、古い体質に異を唱えた者達が結成した新組織「ノバショッカー」と対立している。今の時代、ショッカー怪人をそのままのデザイン・組織理念で登場させると当然感じてしまう古臭さが、これによって補われている。デザイン、マインドが昭和から変化していない旧世代の悪が、同じく信念を曲げずに戦い続けてきた本郷猛と同じ匂いを感じさせる。
「変身」の掛け声も、現行の仮面ライダー ゴーストでは本郷猛(というか新1号ライダー)の世代からやや様変わりしているし、戦い方もアイテム中心、音声ギミック付きなので、悪役側の世代間対立を入れることでヒーロー側のジェネレーションギャップが悪目立ちしなくなっている。(気がする)

まとめ

ボロボロ泣いちゃったシーンが、もう身体がボロボロになった本郷猛が、戦いで力尽き、火葬される下り。もう、あんなの泣くに決まってんだろ。
ということで今回の映画、個人的にはかなり満足度が高い。春のお祭り映画特有の無理矢理感はそれほどなかったように感じる。(例年非)

http://news.mynavi.jp/articles/2016/03/26/kamenrider/
http://news.mynavi.jp/articles/2016/04/05/kamenrider/



映画公開の記念イベントの様子↓






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