UnityでLight Shaftを表現する

空気中の細かいチリや、煙を焚いた時に、光源から光の筋が見える現象を”Light Shaft“と呼んだりしますね。Mayaとかのプリレンダ環境なら、Depth Map Shadowとか使えば割と簡単に表現できる現象なんだけど、リアルタイムだとそれなりの計算コストになる。リアルタイムで実現するには、光源の数やバッファサイズにかなり気を付けないと処理落ちしてしまう。

追記:以下はUnity 5の時代の古い情報です。最新のUnityでは標準機能でLight Shaftを表現可能です。



で、そんなLight Shaft表現をUnityで実現するScriptをGitHubで公開している方がいる↓

robertcupisz/LightShafts

I made a more decent light shafts effect for #unity: Anyone interested? 🙂 #unity3d

Robert Cupiszさん(@robertcupisz)が投稿した動画 –



このコード、ありがたいことにパブリックドメインだそうです。
使い方は簡単で、Unity標準のライトにアタッチして使用する。対応しているのはDirectional lightSpot light。後は様子を見ながらバッファサイズやサンプリングサイズを調整してやるだけ。

LightShafts

実装の元となった論文はこちら↓
https://www.semanticscholar.org/paper/Epipolar-sampling-for-shadows-and-crepuscular-rays-Engelhardt-Dachsbacher/2b9640253af2bf397232f2436eddce2cf1d5f1eb

こういう表現が加わると一気に奥行きが増して素敵ね。

その後、Unity Adam demoにも使われたようです↓
https://github.com/Unity-Technologies/VolumetricLighting



2018年9月 追記:今ならAuraという無料のAssetがある↓

Aura – Volumetric Lighting


AuraはUnityのためのオープンソースのvolumetric lightingソリューションです。
開発はGitHubにホストされ、最新のパッケージはAsset Storeに公開されています。

Auraは、環境の空気などの媒体中の光の散乱や、この環境に存在する眼球/カメラには見えない微粒子の照明をシミュレートします。
この効果はvolumetric fogとも呼ばれます。

GitHubのリポジトリはこちら↓
https://github.com/raphael-ernaelsten/Aura



ドキュメントはこちら↓
http://www.raphick.be/aura/documentation/

Auraの内部で行われる処理の概要図↓

Aura - Volumetric Lighting for Unity

2019年追記:有料版のAura 2がリリースされています↓

Aura 2 – Volumetric Lighting & Fog


Aura 2はUnity用のvolumetric lighting/fogソリューションです。
Aura 2は、環境中に存在する肉眼・カメラでは捉えられないほど小さな微粒子の照明効果をシミュレートします。

Aura 2はUnityに最先端のvolumetric lightingシステムを提供します。
このレンダリング手法は、Tomb Raider, God Of War, Red Dead Redemption 2, Assassin’s Creed Odysseyなどの最新のハイエンドゲームで使用されているものと同じです。


関連記事

Mitsuba 2:オープンソースの物理ベースレンダラ

Math Inspector:科学計算向けビジュアルプログラ...

FreeMoCap Project:オープンソースのマーカー...

Geogram:C++の3D幾何アルゴリズムライブラリ

Raspberry Piでセンサーの常時稼働を検討する

Kornia:微分可能なコンピュータービジョンライブラリ

BlenderのPython環境にPyTorchをインストー...

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 甲羅のバランス調...

pythonの機械学習ライブラリ『scikit-learn』

WordPressプラグインの作り方

MPFB2:Blenderの人体モデリングアドオン

Unityで360度ステレオVR動画を作る

映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のVFXブレイクダウ...

顔追跡による擬似3D表示『Dynamic Perspecti...

ZBrushのハードサーフェイス用ブラシ

Photo Bash:複数の写真を組み合わせて1枚のイラスト...

Houdiniのライセンスの種類

UnityでTweenアニメーションを実装できる3種類の無料...

生物の骨格

UnrealCV:コンピュータビジョン研究のためのUnrea...

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる

UnityのAR FoundationでARKit 3

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のVFXブレイ...

PythonのHTML・XMLパーサー『BeautifulS...

ZBrushの作業環境を見直す

3Dグラフィックスの入門書

マイケル・ベイの動画の感覚

Konashiを買った

OpenGV:画像からカメラの3次元位置・姿勢を推定するライ...

ZBrushでゴジラ2001を作ってみる 目元だけ作り込んで...

SVM (Support Vector Machine)

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 壊れたデータの救...

MVStudio:オープンソースのPhotogrammetr...

ガメラ生誕50周年

MFnMeshクラスのsplit関数

Mean Stack開発の最初の一歩

ZBrushのTranspose Masterでポーズを付け...

ZBrushでゴジラ2001を作ってみる 側頭部のボリューム...

ZBrushで基本となるブラシ

『ピクサー展』へ行ってきた

Mayaでリアルな布の質感を作るチュートリアル

RSSフィードを読込んで表示するWordpressプラグイン...

コメント