話題の映画「この世界の片隅に」を観てきた。
この作品はいわゆるミニシアター系の作品で、上映館は少ないけど、テアトル新宿では連日満席+立ち見が続いたらしい。人気のおかげで公開当初よりも上映館が増えているようです。
この世界の片隅に
絵を描くのが好きで、ちょっとおっとりとした女性「すず」さんが主人公。すずさんの幼少時代の昭和初頭から始まり、ほのぼのとしたすずさんの「普通」の生活が淡い色彩で丁寧に描かれる。
本作では当時の生活の描写にかなりの尺が割かれていて、この生活感がとても魅力的なのだ。すずさんのキャラクターを通して見ると、普通の生活を覗くだけで可愛らしく、面白い。
当時と今では生活スタイルが全く違うから、この手の時代ものでは生活描写を省略してしまうか、逆にナレーションなどの説明で補ってしまいがちなんだけど、本作では当時の生活そのものがドラマ(?)として楽しめる。
公式サイトでは、すずさんの人生と史実を並べた「すずさんの生きた時代」年表が公開されている。↓
http://konosekai.jp/timeline/
第二次世界大戦下の時代を描いていながら、説明的でもなく、説教臭くもない。
その時代で生活する普通の人々が、変わっていく環境の中でも工夫して生きていく姿がある。芯の通った人が意外と脆かったり、頼りない人が時にしぶとかったり。時折挿入される、すずさんの描いた絵を通じた描写が心を揺さぶる。
少し不器用で要領も良いとは言えないすずさん。すずさんがちょいちょい失敗した時の表情が可愛い。
ぼーっと周りに流され、そのままお嫁に行って、かといってその生活に不満があるわけでもなく、むしろ幸せを感じて毎日を生きていく。その姿には主体性が無いようにも見えるが、たくましくも思える。
なんとなく、今の時代こそ、そういう感覚があっても良いのかな、と感じる。自分の人生を全て自分の意思で選ぶことが幸せというわけでもあるまい。
さて、この映画はクラウドファンディングで制作資金を調達した、なんて書いている記事もあるけど、クラウドファンディングで調達したのはパイロットフィルムの制作費だけらしい。↓
http://toyokeizai.net/articles/-/147002
クラウドファンディングを通じて映画をPRすることに成功したようだ。ここ最近、邦画の製作・制作方法が転換期を迎えている気がする。
映画がとても魅力的だったので、原作も気になってきた↓



2017年2月3日 追記:
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