3Dスキャンしたテクスチャから照明を除去するUnityツール『De Lighting tool』

Unity Technologiesが、3Dスキャンで取得したテクスチャから照明成分を除去してAlbedo Mapを作成するツールをGitHubで公開した。
https://labs.unity.com/article/experimental-feature-de-lighting-tool

こういうツールがVFX関係の会社じゃなくて、ゲームエンジンの会社から提供されるってのが面白い時代。

De Lighting tool

De-Lighting Toolは、Photogrammetry(写真測量)アセットパイプラインで取得したテクスチャから照明の影響を除去するツールです。
CG業界では、Photogrammetryがますます普及しています。普通のカメラを高性能な3Dスキャナとして利用できるこの手法は、リアルな3Dアセットを作成する画期的な術を開拓しました。
しかし、この技術で生成された生のテクスチャには、除去すべき多くの照明の情報が含まれています。Unity De-Lighting Toolは、この複雑な問題を解決するために開発されました。

考え方としては、3Dスキャンしたオブジェクトなら3D形状が分かっているから、そこから逆算しておおよその照明の影響を取り除けるわけですね。
(厳密に言うと、このツールは3D形状から算出したAmbient Occlusion Map, Normal Map, Bent Normal Mapを手掛かりに処理を行う)



ドキュメントはこちらからも↓
https://github.com/Unity-Technologies/DeLightingTool/blob/master/Documentation/De-LightingTool.pdf

すぐに試せるサンプルデータも一緒に配布されている。
https://github.com/Unity-Technologies/DeLightingTool/blob/master/Documentation/DeLighting-Tool-Data-Rock01.zip

追記:正式にAsset Storeで公開され、チュートリアル動画も公開された↓
https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/99583



3D形状ありきじゃなくて、1枚の画像から反射成分を分離する処理をガチでやるとしたら、Intrinsic Imageという研究分野になるかな?

UniteとかCEDECを見ていて思うのは、産業の技術発展って人材の集まり方に左右されるんだろうなぁ、と。もともとデベロッパーが多く集まるゲーム産業だからこそツールという形で技術・ノウハウを産業全体へ広めることができているだ気がする。
デベロッパーが集まりにくい産業ではなかなかこういうことが起こらなそうだ。少なくとも日本の映像業でキャリアのスタートがデベロッパーの人っていなさそう。なんというか、日本は職人というか、属人が産業の大部分を占めてるのかも。プラットフォームとなるDCCツールやゲームエンジンは海外のものばかりだし。

最近カラー、ドワンゴ、麻生塾が共同設立したアニメ・CG制作会社「プロジェクトスタジオQ」の設立発表会見で少しUnityに言及していたらしい。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1707/12/news104.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1707/13/news120.html



http://cgtracking.net/archives/41379

関連記事

テスト

ZBrushでゴジラ2001を作ってみる 側頭部のボリュームを探る

libigl:軽量なジオメトリ処理ライブラリ

Google Earth用の建物を簡単に作れるツール Google Building Maker 公...

映画『シン・仮面ライダー』 メイキング情報まとめ

シン・ゴジラのファンアート

Digital Emily Project:人間の顔をそっくりそのままCGで復元する

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のVFXブレイクダウン まとめ

IronPythonを使ってUnity上でPythonのコードを実行する

Blender 2.8がついに正式リリース!

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 口内の微調整・身体のライン修正

Transformers ”Reference & Bulid” Siggraph 2007

Unity ARKitプラグインサンプルのドキュメントを読む

BlenderのRigifyでリギング

ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 PolyGroupを分割する

日本でMakersは普及するだろうか?

MPC社によるゴジラ(2014)のVFXブレイクダウン

粘土をこねるようなスカルプトモデリング

3D復元技術の情報リンク集

第20回 文化庁メディア芸術祭『3DCG表現と特撮の時代』

単純に遊びに行くのはだめなのか?

Texturing & Modeling A Procedural ApproachをGoo...

windowsのエクスプローラでRAW画像のサムネイルを表示するソフト『FastPictureVie...

MLDemos:機械学習について理解するための可視化ツール

株式会社ヘキサドライブの研究室ページ

立体映像プレイヤー『Stereoscopic Player』

GoB:ZBrushとBlenderを連携させるアドオン

UnityでShaderの入力パラメータとして行列を渡す

TVML (TV program Making language)

『PIXARのひみつ展』に行ってきた

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 脚のトゲの作り直し

Connected Papers:関連研究をグラフで視覚的に探せるサービス

頭蓋骨からの顔復元と進化過程の可視化

Shader.jp:リアルタイム3DCG技術をあつかうサイト

Unity Scriptコーディング→Unreal Engine Scriptコーディング

PureRef:リファレンス画像専用ビューア

ゴジラ(2014)のメイキング

無料の英文チェックWebサービス『PaperRater』

1枚の画像からマテリアルを作成できる無料ツール『Materialize』

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる おでこ(?)のバランス調整

SIGGRAPH ASIA 2009で学生ボランティア募集してるみたい

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる モールドの彫り込み・身体の形出し

コメント