当たり前のような話ではあるけど、ここ最近強く思うこと。この前に引き続き広義の意味でのインフラについて考えたい。あまり意識されないけど、インフラの違いがアウトプットの質の違いに表れてくるという話。
数ヶ月前にNHKで放送していた「岩井俊二のMOVIEラボ」の第二回「特撮編」のゲストで登場した樋口真嗣氏が、日本の特撮がハリウッド映画と比較されることに対して「日本とハリウッドではインフラが違う」的なことを語っていた。(気がする)
映画作りは沢山の会社が協力して作り上げるものなので、国内にどんな業者が、どんな仕事の受け方をしているか、によってある程度作品の完成度が決まってしまう。この場合、日本の映像産業の文化が独特のインフラとして機能しているということ。たぶん、映画をプロデュースする人は、そのインフラを駆使する手腕を求められるんだと思う。
「インフラ」というものをどういうスケールで捉えるかにもよるけど、ミクロな視点なら使用しているツールはインフラと言えるし、マクロでメタな視点なら組織・国の文化もインフラと言える。その国の、その土地特有の風土も、インフラとしてアウトプットに作用しているはずだ。
以下の記事によると、世界規模のIT企業が多く誕生する地、シリコンバレーも、その地域がインフラとして上手く作用しているということらしい。↓
http://techpeople.jp/2015/03/beans1/
私は製造業に携わってきましたが、シリコンバレーに来た当時から、私が一貫して感じているのは、実はシリコンバレーは世界一の製造拠点だということです。日本や中国や台湾や韓国ではなく、製造のインフラが世界一整っていると思います。
スタートアップも大企業も、試作品はシリコンバレーで作っているわけで、それを実現するインフラがあります。AppleがApple Watchを作る。GoogleやFacebookがあれだけのトラフィックでも落ちないデータセンターを作る。世界最先端のテクノロジーを支える製造拠点がここにはあるんです。
試作品はここでつくって、量産は別でやる。そういう意味でもここはものすごくクリエイティビティがあります。
さらには彼らに下請け的な体質は一切ありません。自分たちでマーケティングをして、大手に売り込みにいきます。
シリコンバレーには、リーマンショックまで町工場が5000社ありましたが、今は2500社しかありません。6年で半分になりました。それだけ新陳代謝が激しく淘汰されるわけです。ここで生き残っている中小町工場は本当に強いですね。
インフラを整備せず、更地のような環境に人だけ集めて精神論で突き進もうとする人が結構いる。インフラを無視してアウトプットの質を変えようなんて、とても難しい。継続的にアウトプットの質を維持するには、インフラやエコシステムが必要だ。
個人的に、プロデューサーに備わっていて欲しい素養は「インフラを整える」という志向だと思う。「プロデュース」という言葉が「ディレクション」という意味で使われてしまうことが多いのが厄介。
東映のヒーロー番組がとんでもないハイペースで量産できるのも、インフラを持っているからだろうと思う。スターや職人の才能が光り輝くのは、盤石なインフラがあってこそ。
関連記事
2021年2月 振り返り
CEDEC 3日目
2018年1月~3月 振り返り
映画『ドラえもん のび太と雲の王国』を観た
2021年の振り返り
2021年8月 振り返り
自分のスキルセット
スター・ウォーズのスピンオフ『マンダロリアン』の舞台裏
情報の編集
瞬発力の時代
「考える」と「調べる」は違う(と思う)
仮面ライダーアギト 20周年
社会人基礎力
自分を育てる技術
2023年の振り返り
自分の性質
2023年7月 振り返り
2017年7月 振り返り
2021年12月 振り返り
オープンソースのIT資産・ライセンス管理システム『Snipe...
『ピクサー展』へ行ってきた
マルチタスクに仕事をこなせる人とそうでない人の違い
2021年1月 振り返り
2023年8月 振り返り
読書は趣味か?
2018年の振り返り
2018年6月~7月 振り返り
2023年10月 振り返り
2020年7月 振り返り
Unityの薄い本
Googleが求める『スマート・クリエイティブ』と言われる人...
書籍『転職の思考法』読了
成果を待てない長学歴化の時代
2019年の振り返り
書籍『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つ...
2025年10月 振り返り
2018年8月~9月 振り返り
映画から想像するVR・AR時代のGUIデザイン
東日本大震災の記憶
2019年7月 行動振り返り
2021年 観に行った映画振り返り
2019年9月 行動振り返り


コメント