インフラがアウトプットの質を左右する

当たり前のような話ではあるけど、ここ最近強く思うこと。この前に引き続き広義の意味でのインフラについて考えたい。あまり意識されないけど、インフラの違いがアウトプットの質の違いに表れてくるという話。

数ヶ月前にNHKで放送していた「岩井俊二のMOVIEラボ」の第二回「特撮編」のゲストで登場した樋口真嗣氏が、日本の特撮がハリウッド映画と比較されることに対して「日本とハリウッドではインフラが違う」的なことを語っていた。(気がする)

映画作りは沢山の会社が協力して作り上げるものなので、国内にどんな業者が、どんな仕事の受け方をしているか、によってある程度作品の完成度が決まってしまう。この場合、日本の映像産業の文化が独特のインフラとして機能しているということ。たぶん、映画をプロデュースする人は、そのインフラを駆使する手腕を求められるんだと思う。

「インフラ」というものをどういうスケールで捉えるかにもよるけど、ミクロな視点なら使用しているツールはインフラと言えるし、マクロでメタな視点なら組織・国の文化もインフラと言える。その国の、その土地特有の風土も、インフラとしてアウトプットに作用しているはずだ。


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以下の記事によると、世界規模のIT企業が多く誕生する地、シリコンバレーも、その地域がインフラとして上手く作用しているということらしい。↓

「日本の町工場は農業になる」 シリコンバレーに26年、製造業に携わる経営者が語る、日本の危機と可能性

私は製造業に携わってきましたが、シリコンバレーに来た当時から、私が一貫して感じているのは、実はシリコンバレーは世界一の製造拠点だということです。日本や中国や台湾や韓国ではなく、製造のインフラが世界一整っていると思います。

スタートアップも大企業も、試作品はシリコンバレーで作っているわけで、それを実現するインフラがあります。AppleがApple Watchを作る。GoogleやFacebookがあれだけのトラフィックでも落ちないデータセンターを作る。世界最先端のテクノロジーを支える製造拠点がここにはあるんです。

試作品はここでつくって、量産は別でやる。そういう意味でもここはものすごくクリエイティビティがあります。

さらには彼らに下請け的な体質は一切ありません。自分たちでマーケティングをして、大手に売り込みにいきます。

シリコンバレーには、リーマンショックまで町工場が5000社ありましたが、今は2500社しかありません。6年で半分になりました。それだけ新陳代謝が激しく淘汰されるわけです。ここで生き残っている中小町工場は本当に強いですね。

インフラを整備せず、更地のような環境に人だけ集めて精神論で突き進もうとする人が結構いる。インフラを無視してアウトプットの質を変えようなんて、とても難しい。継続的にアウトプットの質を維持するには、インフラやエコシステムが必要だ。

個人的に、プロデューサーに備わっていて欲しい素養は「インフラを整える」という志向だと思う。「プロデュース」という言葉が「ディレクション」という意味で使われてしまうことが多いのが厄介。

東映のヒーロー番組がとんでもないハイペースで量産できるのも、インフラを持っているからだろうと思う。スターや職人の才能が光り輝くのは、盤石なインフラがあってこそ。


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