映画「シン・仮面ライダー」を舞台挨拶中継付き最速上映で観てきた。
ネタバレを踏む前に鑑賞するスタイル。
シン・仮面ライダー
公開初日のチケットは案外簡単に予約できた。「シン・ウルトラマン」の時も割と楽に良い席のチケットが取れたが、

庵野秀明作品と言えど、実写特撮作品だとエヴァの注目度に全然及ばないのだと実感。

舞台挨拶は映画本編上映開始前に行われた。
オイラは週末にIMAX、4DXでも鑑賞予定。(何をそんなに急いでいるのだ?)
上映開始前にパンフレットを買うつもりが、レジ待ちの列が長過ぎて断念。映画鑑賞後に購入。上映開始前以上に長蛇の列になっていた。
劇場オリジナル商品も割とすぐ売り切れそうな予感。(ドリンクホルダーは扱ってない劇場もあるけど)
グッズはとりあえずマスクキーホルダーを2種とも購入。
感想
ストーリーのネタバレになるような感想はまだ控えるけど、これまで庵野秀明氏が手掛けてきた「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」そして「シン・仮面ライダー」という作品で果たそうとしてきた役割は一貫している。オリジナルの魅力を今の一般大衆へ向けて翻案し、オリジナルの魅力へと誘導すること。
有名原作をリメイク・実写映画化した邦画は数多いが、原作ファンを失望させるテンプレ的量産も多い。オリジナルのファンはターゲットになっておらず、新たな層へリーチすれば目的達成なのだ。
それらと目的は似ているが、時間をかけてオリジナルとそのファン達に真摯に向き合ってリメイクしてきたのが「シン」シリーズと言える。庵野秀明氏は自身を「オリジナルを作ろうとしても過去見てきた作品の引用になってしまう世代」と評していたが、これまでの「シン」作品を見るとリメイクに適任な素養にも感じる。そして、何十年も続いているシリーズの魅力を翻案・再構築するには、作家性のみならずオタク的知識・こだわりが不可欠なのではないか?
オリジナルでは作品の外側にあった「大人の事情」でそうなってしまった要素にも物語上の必然を作り、感情のピークと同期させる演出手腕はさすが。
特報や予告でも分かる通り、クモオーグとのアクションシーンは仮面ライダー第1話「怪奇蜘蛛男」と全く同じロケーションで撮影されている。
https://www.youtube.com/watch?v=FNl5pi4UHNg
画作りに込められたノスタルジーも凄まじく、まさにファンの知っている仮面ライダーがそこにいる。オリジナルのテレビシリーズを知っているファンなら、反射的に次のカットの構図が分かるレベルで記憶を呼び覚ましてくれる。
「シン・ウルトラマン」でもそうであったように、「稚拙さ」はアップデートするが、オリジナルが持つある種の「歪さ」は切り捨てずにむしろ魅力として強調してくる。
同じく「仮面ライダー」のリブート作である「仮面ライダー THE FIRST」「仮面ライダー THE NEXT」がテレビシリーズよりも石ノ森章太郎によるマンガ版(あえて「原作」ではなくこう呼ぶ)をベースにビジュアルのブラッシュアップ・公開当時の流行ジャンルを取り入れた構成だったのに対して、「シン・仮面ライダー」はテレビシリーズとマンガ版の要素を丁寧に拾い「ここでそれを拾うのか」と感心させられた。明らかに石ノ森章太郎のマンガのコマを意識した構図のカットやセリフへのオマージュが、テレビシリーズへのオマージュと溶け合っている。
「シン・仮面ライダー」のオリジナルリスペクト具合を見ていて、スーパーファミコンやプレイステーション版のゲームを思い出した。これらのゲームもテレビの「仮面ライダー」風味の抽出にかなり愛を感じた。
秘密結社の幹部や等身大怪人とのアクションの描き方に実写版映画「キューティーハニー」を思い出しはした。
2023年4月下旬には書籍「シン・仮面ライダー デザインワークス」が発売されるそうだ。
さて、では本作を多くの人におすすめするかと言われると、なかなか難しい(笑)
他の「シン・作品」同様、展開が優先され、登場人物に感情移入しづらいのだ。各登場人物達に愛着を持てるようになった2週目以降はあまり気にならなくなるのだが、全登場人物が初見の1週目は置いてきぼりを食らう可能性が高い。他の庵野秀明作品に登場するキャラクターの類型で捉えようとすると見誤るので初見では特に注意が必要だ。
本作でのSHOCKERという組織や登場人物のバックグラウンドは現在ヤングジャンプで連載中の前日譚マンガ「真の安らぎはこの世になく」で補完されることを期待。
追記:追告が公開された↓
追記:庵野秀明が司会進行を務めた舞台挨拶↓
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