Rerun:マルチモーダルデータの可視化アプリとSDK

ここ最近、SNS上で3Dコンピュータービジョン系の可視化にRerunが使われているのをよく見かけるので気になっていた。

Rerun



マルチモーダルデータを時系列で可視化
Rerunは、SDK、時系列データベース、時間的マルチモーダルデータの可視化機能で構成されています。Rerunは、ロボット工学、空間コンピューティング、2D/3D シミュレーション、金融などの分野の検証・デバッグ・説明に使用できます。

Rerun SDK(C++, Python, Rustに対応)を使用すれば、画像、テンソル、点群、テキストなどのデータをログに記録できます。このログは、Rerun Viewerにストリーミングしてリアルタイムに可視化したり、ファイルに保存して後から使用することもできます。

Rerunのコア部分は無料でオープンソースです。

公式サイトのPricingによると有償の商用版はまだ開発中とのことで、2024年7月現在公開されているのは無料で使えるオープンソース版だけ。
オープンソース版はGitHubで公開されておりMITとApache 2のデュアルライセンス。Rerun自体はRustで書かれているようだ。

この手の可視化ツールとしては珍しくRerunには「タイムライン」という概念があり、3D空間でグリグリ視点を動かせるだけでなく、時間方向もビューアから操作して時系列変化を視覚的に確認できる。

公式に可視化のサンプルが沢山公開されている。


スポンサーリンク


全体像としては、Rerun Viewerはユーザーコードとは独立したアプリケーションとして動作し、ユーザーがRerun SDKを介してRerun Viewerへデータ(ログ)を送信すると、Rerun Viewerがそれを受信して可視化してくれるようだ。
このデータ(ログ)の送信は要するにTCP通信らしく、ローカルだろうとネットワーク越しだろうとユーザーコードの開発言語に依存せずRerun Viewerへ送れる。通信のポート番号は任意に設定可能。

使い方



スポンサーリンク
  1. ユーザーコードのマルチモーダルデータをRerun SDKでログ化してストリーミングする
  2. テンソル、点群、テキストなどのログデータからストリームを作成します。複数のソースからの入力、中間状態、出力を簡単に関連付けることができます。

  3. ローカル/リモートを問わず、ライブまたは録画のストリームを可視化して操作する
  4. ライブ/録画のストリームからインタラクティブな可視化を実現します。タイムラインを動的に調整し、データの時間軸を操作できます。

  5. UIやSDKからレイアウトをインタラクティブに構築して可視化をカスタマイズ
  6. Rerunの構成可能データモデルを使用して、データのセマンティクスを表現できます。コードを介して直接、またはUI上でインタラクティブにレイアウトを構築して可視化をカスタマイズできます。

  7. 必要に応じてRerunを拡張する
  8. Rerunの動的スキーマを使用すれば独自形式のデータを記録できます。カスタムビューの使用、または独自のアプリに埋め込むことでRerun Viewerを拡張できます。

OverviewにRerun Viewerの各GUIの説明があるね↓



Top bar & Menu
Top barにはシステムのコントロールと一般的な情報が表示されます。Menuにはアプリケーション全体のオプションとアクションがあります。ビューアの一部を表示/非表示する際は右上隅のボタンを使用します。

Blueprint
Blueprintビューでビューア全体のBlueprint(ビューアに表示される内容・表示方法)を編集できます。

Viewport
Viewportに可視化内容が表示されます。Viewportは自由に配置できる1つ以上のSpace Viewで構成されます。

Selection
Selectionビューでは現在の選択項目の詳細が表示され、その構成を編集できます。

Timeline
Timelineパネルでは、タイムライン上のどの時点を表示するかを制御できます。さらに、指定されたタイムライン上の全てのイベントの概要も表示されます。

https://zenn.dev/higumachan/articles/52b0080ed72a8d


スポンサーリンク

関連記事

UnityのGlobal Illumination
PeopleSansPeople:機械学習用の人物データをUnityで生成する
ZBrushでゴジラ2001を作ってみる 身体のアタリを作る
VCG Library:C++のポリゴン操作ライブラリ
Facebookの顔認証技術『DeepFace』
3Dモデルを立体視で確認できるVRアプリを作っている
フォトンの放射から格納までを可視化した動画
Ambient Occlusionを解析的に求める
BGSLibrary:OpenCVベースの背景差分ライブラリ
CEDEC 3日目
SVM (Support Vector Machine)
映画から想像するVR・AR時代のGUIデザイン
CGレンダラ研究開発のためのフレームワーク『Lightmetrica (ライトメトリカ)』
Web経由でRaspberry PiのGPIOを操作したい
マルコフ連鎖モンテカルロ法
Raspberry Pi 2を買いました
今年もSSII
libigl:軽量なジオメトリ処理ライブラリ
ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 全体のバランス調整 その2
ZBrushのZmodelerとDynamic Subdivisionを学ぶ
立体視を試してみた
OpenCV バージョン4がリリースされた!
SIGGRAPH Asia
ポリ男をリファイン
CNN Explainer:畳み込みニューラルネットワーク可視化ツール
Geogram:C++の3D幾何アルゴリズムライブラリ
ZBrushCore
.NETで使えるTensorFlowライクなニューラルネットワークライブラリ『NeuralNetwo...
ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 口のバランス調整
オープンソースの顔の動作解析ツールキット『OpenFace』
hloc:SuperGlueで精度を向上させたSfM実装
MRenderUtil::raytrace
ジュラシック・パークの続編『ジュラシック・ワールド』
ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 爪とトゲを追加
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のVFXブレイクダウン
3Dグラフィックスの入門書
PyTorch3D:3Dコンピュータービジョンライブラリ
ZBrush 4R7
SONYの自律型エンタテインメントロボット『aibo』
ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 DynaMesh
ガメラ生誕50周年
参考書

コメント