過程を晒す

ここ最近、ブログに模型の組み立て過程とかCGのモデリング過程ばかりアップしてるオイラだけど、昔は途中経過を晒すのが苦手な人間でした。


クリミア・エンゲルス
一応、いったん完成ということにする。大学生の頃、世界史(だったと思う)の授業中に描いた怪人の顔のラクガキを基にイメージを膨らませながらZBrushで立体化を試みた。昔描いたラクガキをモデリングのモチーフに選んだのは、ZBru...


苦手というか、嫌いだった。
まだ未完成の「途中の状態」を見られるのが恥ずかしいという気持ちと、まだ「途中の状態」に対して他人に口を出されるのが嫌だった。

自分の考えを言葉で綴ることも苦手だったオイラにとって、アウトプットするものは全て「自分の考え」を表す自己表現のように思っていた。未完成なものを見られると「自分の考え」が間違って伝わってしまうようで嫌だった。目指している理想イメージとはまだ程遠い、自分でも満足していない状態を他人に晒すことが許せなかった。

そうやって、結局未完成のまま埃をかぶったものが沢山ある。その意識のままだと「完成」なんてできないのだ。「完成」と「完璧」を混同していたような気もする。「完」という字面に囚われて、単なる「終了」ができなかった。


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仕事から学んだこと

そんな意識が変わってきたのは会社員として働き始めてからだ。
仕事でのアウトプットなら、自分が満足していないものでも「完成」にするし、お客さんが満足すればそれで良い。自分が満足したかどうかなんて関係ない。本来の意図と違った方向に評価されたとしても、「相手がそういう観点の人だった」というだけの話で、自分が否定されたわけではない。

仕事は「自分」を表すものではなく、対価を得る手段でしかない。だから、不本意も何も、特に何の考えも反映できないアウトプットの割合の方が多いし、むしろ「それで評価されたらラッキー」ぐらいの感覚だろうか。個人の人格を評価する物差しではない。
仕事のアウトプットで承認欲求を満たそうとすると逆に評価が下がったりするし。
http://blog.tinect.jp/?p=37211


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逆説的ではあるが、認められたい人ほど認められず、評価を気にしない人ほど認められる結果となる。

また、仕事では進捗報告が不可欠で、過程を他人に晒せないと話にならない。過程を共有しておかなければ、何かトラブルが起こったとしても誰の協力も得られない。
実際のところ、何らかのトラブルは過程を共有できていない結果として起こりがちである、というのが経験則として言える。
ついでに言うと、過程を晒しておいた方が上司からの評価も良かったりする。(これはちょっと残念な評価システムだが)
過程を晒さずに周りを不安にさせると、余計な介入を受けてストレスを生む。

過程の可視化・言語化

そんなこんなで、仕事では過程を晒しておかないとデメリットが多いのだ。
そういう仕事での習慣の影響で、個人で完結する趣味の作業であっても、過程を見返しやすい(≒他人に見せられる)ように記録するようになった。記録すると少し冷静になれるので、作業への執着心や迷いが多少和らいでくれる。

未完成の状態であっても、目指す先を示す言葉を添えることはできる。実際に作業する前に目指す先・意図を言葉で吐き出しておく。プログラミングで言うところの疑似コードみたいなものかもしれない。

それに、言語化するプロセスを挟むことでタスクを細かい粒度へ分解しやすくもなる。作業の進捗がキレイに線形にならないことは承知の上で、無理にでも同程度の解像度で記録してみると、以前よりも細かい粒度で語れるようになったりする。これは「過程を晒す」以前に「過程を記録する」というプロセスが入るから。

これは暗黙知をあぶり出すのに効果的だ。その分記録の手間は増えるけど、自分自身で振り返れるメリットは大きい。(はず)
上達を目指すなら「意識的に行動する」必要があるし、そのためにはやったことを「意識下へ持ってくる」必要があるのだ。

2017年がもう2ヶ月過ぎてしまったな。



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