この夏は観たい映画が多いのと、異常に気温が暑いのでインドアに映画三昧している。
先週公開された「ジュラシック・ワールド」をIMAX3Dで観てきた。以前MX4Dでアベンジャーズを観て以来、「映画鑑賞」という点ではIMAXがベストな気がしている。MX4Dは映画鑑賞というよりアトラクションなので、ちょっと違う体験になってしまう。
「ジュラシック・パーク」の続編である本作はちゃんと「映画」として鑑賞したかったのです。
ということでネタバレしない程度に感想を書くよ。
「僕の考えた最強の恐竜」はもはや「怪獣」である
今作の舞台は、1作目で開園前に事故を起こした「ジュラシックパーク」を、インド系の富豪が引き継ぎ「ジュラシックワールド」と名前を変えてオープンさせた人気テーマパーク。パークの運営は順調だが、最新技術で蘇らせた古代の恐竜に昔ほどのインパクトは無く、観客にとっては動物園の動物と大差ない。恐竜の存在に見慣れてしまったのだ。
そこで来場者数アップのために「ジュラシックワールド」が行ったのが、遺伝子操作による新種恐竜の開発だった。そして、1作目にも登場した遺伝学者のヘンリー・ウー博士に、観客が求める迫力を追求した「インドミナス・レックス(獰猛かつ制御不能な王)」を作らせた。
という流れで、「僕の考えた最強の恐竜」であるインドミナス・レックスに人間が振り回されるというのが本作の大筋。1作目の「ジュラシック・パーク」の公開から20年以上経っているため、その年月の間に進んだ恐竜の学術研究と、映画ジュラシックパークシリーズに登場する恐竜達の設定に矛盾が多くなってしまったが、ここに来て完全にフィクションだと割り切れるオリジナルキャラクターが登場した。野暮なツッコミは無用ということだ。(もともと1作目の時点から事実を無視した設定は多いのですが)
インドミナス・レックスの生態、戦闘力に古生物学的な理由づけが必要無く、客寄せのための要素が詰め込まれたその存在はほとんど怪獣である。何となく、映画を観終わった後に平成ゴジラVSシリーズのような後味を感じた。
映像進化に時代を感じる
1作目から回を重ねるごとに模型よりCGの割合がどんどん増えていったジュラシックパークシリーズだけど、今作でも一部模型の恐竜が登場する。手がけたのは今は亡きスタン・ウィンストンのスタジオの流れをくむLegacy Effects。
今作では、動きが少なく、役者と直接触れるようなシーンで模型の恐竜が使用されたようだ。
3作目から感じていたことだけど、今や模型の方がCGよりも情報量が少なく見えてしまうのよね。3作目の時代から始まった筋肉のシミュレーションがCG恐竜の存在感を一気に高めてしまった。3作目ではまだレンダリングが微妙で、質感においてはまだ模型の方が存在感があったんだけど、本作ではレンダリング技術も進歩していて、質感でもCGの方が勝っているように見えた。
テーマパークとして運営されている平和なジュラシックワールドでは、暗がりで質感をごまかすようなこともなく白昼に堂々と恐竜が登場する。本当にそういうサファリパークでも存在するかのように。映像の中にリアリティのある虚構を作るという点ではもうCGが模型を追い抜いてしまったのだろうか。以前とは求められる映像の解像度が違うというのもあるかな。
登場する恐竜達のディティールも高密度で、ラプトルは個体の区別のために派手な模様が入ったりしていたけど、その中でデザインが1作目からほとんどリニューアルされていないT-Rexの体表が随分とのっぺりして見えたのがちょっと気になったかな。
牙の数は強さだ!
今作は1作目をとても意識しているようで、まるで1作目の「ジュラシック・パーク」と相似形を成しているようにも感じた。続編でありながらリメイクのような感じ。1作目に登場した部屋や小道具(?)が登場したり、あまり詳しくは語らないが、ラストの展開には1作目を観た人ならあのシーンを思い出すだろう。
続編となるとだんだんストーリーが難解に、とっつきにくくなったりするものだけど、今作はあまり小難しいことは気にせず、1作目に似た興奮を覚えた。牙の数を足算すれば大体恐竜の強さが測れますよ(笑)
ヒント:字幕 戸田奈津子
「僕の考えた最強の恐竜」を自由に作りたくなりますね。
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