組織でも個人でも、成果を上げるには「継続」が不可欠だと感じる今日この頃。最近は、何となく継続するための考え方が分かってきた気がする。
大きな目標には継続が必要
「継続は力なり」という言葉は確かにその通りで、継続できるかどうかが後に大きな差になって結果に表れるのだと思う。
どんなに立派な目標を掲げても、達成するまで継続できなければ未達成に終わる。大きな目標を掲げれば、達成にもそれなりに時間がかかるもの。
大きな目標の達成には、短距離走的な瞬発力よりも、長距離走的な持久力が重要となる。途中で棄権せず、ゴールまで走り切るためのペース配分が不可欠だ。
こういう考えは色んなことに応用できそうだけど、ここでは何かスキルを習得する場合について考えてみる。
「才能」と「努力」という言葉
成果を上げている人の裏には、日々の積み重ねが隠れている。それは水面下で地道に行われているもので、結果として表に現れた頃には圧倒的な差となっている。結果だけを見せられると、まるでその人が生まれ持った「才能」のように見えることも多いと思う。
この隠れた「積み重ね」は「努力」という言葉で言い換えられることも多いが、「努力」という言葉を「苦労」という意味で捉える人があまりにも多いので、ここではちゃんと区別したい。「苦行に耐えれば成果が出る」という精神論を語るつもりはない。
ここでの「積み重ね」という言い回しは、「必要な準備・訓練」のことを指して使っている。
厳しい修行を積んでも才能のある一握りの人間しかモノにならない、なんて話ではなく、大多数の普通の人が住んでる世界での、地に足の着いた現実的な話をする。
小さなハードルに分解する
非常に簡単な話で、大きな目標があったとしても、小さなハードルに分解すれば良い。低いハードルをコツコツと越え続けるだけで、着実に本人のレベルは向上するものだ。ここで重要なのは、とにかく「続ける」ことだ。中間目標を設定したり、習慣に取り入れたり、続けられるサイズまでハードルを小さく分解してやる必要がある。なるべくなだらかな坂道を登って頂上を目指すのだ。
ハードルを上げようとする人達
だが、コツコツ続けるための「ハードルの下げ方」を知らない状態の人が結構いるように思える。
何かにつけて「三日坊主」に陥ってしまう人は「続ける仕組み」の設計が上手く行ってないのだ。スタートから自分に大きな負荷をかけようとしてしまう。この辺はドラゴンボールに出てくる「修行」みたいな、「無茶な負荷をかけて飛躍する」っていう精神なのかも。
また、直前の徹夜や一夜漬けなど、「無理をして成果を出す」という短距離走の考えでは、なかなか大きな成果に繋がらない上に、健康上よろしくない。成果が上がる前に身体を壊してしまうかもしれない。(スーパーサイヤ人に覚醒することはありません。)
さらに残念なことに、巷では「その程度では通用しない」なんてハードルを上げるような発言をする人が後を絶たない。先輩や業界人面したこの手の発言は何のアドバイスにもならないし、むしろ後進が育たずに衰退を招く。
ハードルを上げるとすぐに途切れてしまう
実を言うと、オイラ自身もどちらかと言うとハードルを上げてしまうタイプの人間だった。昔は「職人」というものに憧れていた。弟子入りして、何年も厳しい修行を積む世界。
だが、2つのことに気づいた。職人と呼ばれている人の大半は、ちょっとした属人性も誇大に技能と捉えていること。
そして、その技能を体系化できていないために、結局誰にも技術を伝承できずに途絶えてしまうこと。
多くの分野が「職人」のハードルを高くし過ぎて絶滅の道を辿っている。「修行」と言って、自分がしてきたのと同じだけの苦労をさせたがる。だが、それでは産業として存続できない。
がんばらなくていい
自分に厳しい人は、がんばらなかった自分を責めてしまったりするけれど、ちゃんと続けている自分を褒めれば良い。「がんばる」って状況はイレギュラーと捉えよう。毎日がんばる必要はないのだ。
モチベーションコントロール
さて、ハードルを下げたところで、今の時代はコツコツ続けるモチベーションを保つのがなかなか難しい。インターネットではトップレベルの人の情報がすぐに手に入り、どうしてもそれと自分を比べてしまう。
大多数の人はここで折れるのだが、自己肯定感の強い人間は折れなかったりする。現在の自分を客観視できないことがプラスに働くんだと思う。
自己肯定感を高めるコツは、自分のレベルに近いローカルなコミュニティを見つけることだ。強制的に自分をぬるま湯につけるわけだが、あくまで「自分は無能ではない」と、自己肯定感を保つためだ、その環境に胡座をかくのではない。
終わりに
と、今のオイラが考えているのは大体こんな感じ。ここ数年間で大分考え方が変わった。でも、続けられる人ってこういうことにとっくに気づいていて、実践してるんだと思う。
ところで、最近の寿司職人は職人に弟子入りして10年も修行したりせず、寿司アカデミーというところで比較的短期間で技能を習得するらしい。技能が体系化されていれば、訓練にそれほど時間はかからないようだ。
従来「継続が必要」と思われていたことが案外簡単に実現できちゃったりする時代なので、何を継続すべきか見極めは必要だ。
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