サイトアイコン NegativeMindException

Structure from Motion (多視点画像からの3次元形状復元)

3DCGをガッツリ学んでたもんで、「2次元の画像処理よりも3次元のCGの方が抽象度が高くて美しい」という感覚があって、コンピュータビジョンに対して「お前らとは次元が違うんだよ」とか思ってたんだけど、最近のコンピュータビジョンは結構3次元なのよね。

Structure from Motion (多視点画像からの3次元形状復元)とは?

Structure from Motion(SfM)は、視点の違う複数枚の画像から被写体の3次元形状、及びカメラの相対位置を復元するというジャンル。理論上、5視点あればカメラ位置は推定できるらしい。最近では、ネット上の画像を使って大規模に街の形状を復元する研究とかもある。
CG分野から見れば、これはモデリングのプロセスで、広い意味では現実物体の3次元スキャン手法と言えるかも。
SSII2013のチュートリアルセッション「多視点画像からの3次元復元 ~基本原理から大規模復元まで~」で知りました。


この手法の特性

この手法は複数画像間の対応を求めるために局所特徴量を使うので、被写体にはそれなりに模様とかパターンが分布していないと上手くいかない。当然、光沢のある被写体は対応が上手く取れないので形状が復元できない。よくある例だと、ぬいぐるみみたいにふさふさして光沢がないオブジェクトは上手くいく。
画像間の対応を求めるのはパノラマ画像の合成と似た感じ。文献によると、対応点を求めるには視差が15度以下であることが望ましいらしい。

手軽に試すなら

フリーのツールやオープンソースのライブラリもいくつかあり、Youtubeでもいっぱい例が見つかる。
こちらは有名なフリーツールのVisualSFM

参考資料

処理の中身を詳しく知りたいなら、↓こちらの書籍の第4章 Exploring Structure from Motion Using OpenCVが無料で公開されている。



ソースコードはGitHubにある。これをビルドするには、OpenCVとは別にPoint Cloud Library(PCL)Simple Sparse Bundle Adjustment (SSBA)が必要。

参考記事:【新書情報】Mastering Opencv with Practical Computer Vision (洋書) - 実践的なCompute Vision応用のOpenCVによる習得を目指す本


スポンサーリンク

日本語で読める参考書籍

3次元復元系の日本語解説本ならこちら↓



コンピュータビジョン勉強会@関東の第28回はこの書籍の輪読会だった。

第28回 コンピュータビジョン勉強会@関東

2015/03/28 CV勉強会@関東 「複数画像からの三次元復元手法」

2015/03/28 CV勉強会@関東「複数画像からの三次元復元手法」ツイートまとめ

1.はじめに – 2.1 画像収集


2.2 カメラパラメータ推定 – 2.2.1 Structure-from-Motion


2.3 密な形状復元 – 2.3.1 最先端のMVS研究例


3. 多眼ステレオ – 3.1 二枚の画像からのphoto-consistency


3.1 複数枚の画像からのphoto-consistency – 3.2 デプスマップ復元


3.3 デプスマップからのメッシュ復元 – 4 むすび


その他参考記事:

画像から3次元形状を復元!OpenMVGでSfMを試してみた
VisualSfMの使い方 その1 -最も単純な使い方-
VisualSfMの使い方 その2 -時系列画像からの復元-
VisualSfMの使い方 その3 -既知のカメラパラメータを用いた復元-
VisualSfMの使い方 その4 -対応点リストの読み込み-
VisualSfMの使い方 その5 -三次元点の追加-

2015/01/17追記:
上記とは別にOpenCVを使った実装例を見つけた。
Structure from Motion and 3D reconstruction on the easy in OpenCV 2.3+ [w/ code]
ソースコードはこちら↓
Toy Structure From Motion Library using OpenCV


スポンサーリンク

関連記事

  • 中学3年生が制作した短編映像作品『2045』
  • ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 PolyGroup作成に再挑戦
  • AMIMOTO(PVM版)で作成したインスタンスをAMIMOTO (HVM版)へ移行する
  • ZBrushで人型クリーチャー
  • AR (Augmented Reality)とDR (Diminished Reality)
  • OpenCVで顔のランドマークを検出する『Facemark API』
  • オープンソースのネットワーク可視化ソフトウェアプラットフォーム『Cytoscape』
  • ZBrushでゴジラ2001を作ってみる 身体のアタリを作る
  • トランスフォーマーの変形パターンを覚えるのは楽しいと思うんだ
  • ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 失敗のリカバー
  • Physically Based Rendering
  • ゴジラ三昧
  • Google Earth用の建物を簡単に作れるツール Google Building Maker 公...
  • HD画質の無駄遣い その2
  • Oculus Goを購入!
  • Pythonの自然言語処理ライブラリ『NLTK(Natural Language Toolkit)』
  • Leap MotionでMaya上のオブジェクトを操作できるプラグイン
  • iPhoneで3D写真が撮れるアプリ『seene』
  • この連休でZBrushの スキルアップを…
  • ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 横顔のシルエットをリファレンスに合わせる
  • OpenMVSのサンプルを動かしてみる
  • 今年もSSII
  • MFnDataとMFnAttribute
  • OpenCVで動画の手ぶれ補正
  • ラクガキの立体化 分割ラインの変更・バランス調整
  • Multi-View Environment:複数画像から3次元形状を再構築するライブラリ
  • UnityのAR FoundationでARKit 3
  • Active Appearance Models(AAM)
  • Transformers ”Reference & Bulid” Siggraph 2007
  • Photoshopで作る怪獣特撮チュートリアル
  • ZBrushCoreのTransposeとGizmo 3D
  • OpenCV 3.1のsfmモジュールを試す
  • アニゴジ関連情報
  • iPadをハンディ3Dスキャナにするガジェット『iSense 3D Scanner』
  • UnityでTweenアニメーションを実装できる3種類の無料Asset
  • HD画質の無駄遣い
  • 天体写真の3D動画
  • オーバーロードとオーバーライド
  • Siggraph Asia 2009 カンファレンスの詳細
  • 3Dグラフィックスの入門書
  • Qlone:スマホのカメラで3Dスキャンできるアプリ
  • ニンテンドー3DSのGPU PICA200
  • モバイルバージョンを終了