次は爪の塗装について。
思えばこれまで、ゴジラもガメラも、爪に関しては代わり映えのしない塗り方を続けていました↓
のっぺりとした仕上がりがずっと気になっていた。いい加減、もうちょっと良いやり方を考えたいところ。
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レジンキットの場合、レジンの元々の素材の質感を活かして仕上げるアプローチも妥当ではあるんだけど↓
レジン内部で光がやや散乱するので、表面だけにのっぺりと色を塗ったのとは違う透明感は得られるけど、劇中の怪獣の印象に近いかと言われるとそうでもない気がする。そして当然このやり方はソフビでは再現できない。
こちらの書籍や特撮のDNAでの展示を見ると、爪や牙のパーツは半透明どころか透明素材で中が空洞に思えるほど透明で、まだらな感じに塗装されていた。
今回は、ソフビで似た雰囲気の透明感ある爪を塗る方法を考えてみよう。
ここでちょっとCGの話。
大理石や人間の肌など、半透明な物体の質感をCGで再現するSubsurface Scattering(表面下散乱)という考え方がある。特に人間の肌の場合、半透明と言っても、肌の表面のごく薄い層でのみ光の散乱が起こっているだけなので、表面だけの光の伝搬として内部を無視した近似が主流。
怪獣の爪や牙も、表面の薄い層のみの光の散乱で透明感を演出できないだろうか?
ということで、今回は半透明な塗料を塗り重ねて、ソフビの表面に薄い散乱層を作ってみようと思う。
ガイアカラーのクリアーホワイトを乳白色のベースとして使ってみよう↓
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爪の塗装
暗く濃い色から順に徐々に明るいクリアーカラーを重ねて透明感のある爪を目指そう。
全身にほんのりとミッドナイトブルーが乗ったこの状態からスタート↓
まずは爪のベースとなる色を筆塗り。
その上からクリアーホワイト+ホワイトで作った透明度をやや下げた乳白色を塗り重ねる。
筋が残るようにムラを作りながら塗ります↓
その上からクリアーオレンジ+クリアーホワイト+ホワイトを筆塗り↓
さらにその上からクリアーイエロー+クリアーホワイト+ホワイトを筆塗り↓
その上からクリアーホワイト+ホワイトで作ったやや透明度のある乳白色を筆塗り↓
ここからは割といつものやり方で、タミヤカラーアクリル塗料で汚すように筆塗りし、溶剤を含ませた綿棒で雑に拭き取る(この時使ったのはブラウン+ブラックだったっけ?)
同様に、タミヤカラーアクリル塗料のさらに暗い色を塗りたくり↓
溶剤を含ませた綿棒で根本を残して拭き取る↓
タミヤカラーエナメル塗料のクリアーイエローを爪全体に塗る↓
タミヤカラーエナメル塗料のクリアーオレンジを、先ほど塗ったクリアーイエローと混ざるように丁寧に塗り足し、複雑な色に見せる↓
だいぶ良い質感になったのではないでしょうか。
このままでは以前塗った牙が浮いてしまう気がしたので、
爪に合わせてタミヤカラーエナメル塗料のクリアーイエロー、クリアーオレンジを牙に塗り重ねて調整↓
牙の先端の明るさは残して、根本付近の影色を爪に寄せた感じ↓
爪の塗装はこれにて完了↓
このキットの制作記事まとめページを作りました↓
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