KelpNet:C#で使える可読性重視のディープラーニングライブラリ

ここ最近、ディープラーニングというか、ニューラルネットワークのお勉強をしてみて、その処理コストが高いため、実装では行列演算として扱われていることを知った。


畳み込みニューラルネットワーク (CNN: Convolutional Neural Network)
例の書籍「ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」を一通り読み終わりました。「あえてPythonを使わずにUnity C#で実装しながら勉強する」とか言っておきながら、結局途中でコーディン...


行列演算に最適化されたライブラリを使うことで処理の高速化を図っているらしい。(GPUも行列演算得意だしね)

そういうわけで、巷のオープンソースコードからアルゴリズムを勉強するのは、数学(というか行列)に疎いとちょっとしんどかったりする。



そんな数学の苦手な人でもコードを読んで勉強できるよう、春条氏が行列演算を使わずにディープラーニングを実装したライブラリKelpNetを公開している。

KelpNet

KelpNetはC#で実装された深層学習のライブラリです。

特徴

  • 行列演算をライブラリに頼らないため全ソースが可読になっており、どこで何をしているかを全て観測できます
  • KerasやChainerが採用している、関数を積み重ねるように記述するコーディングスタイルを採用しています
  • 並列演算にOpenCLを採用しているため、GPUだけでなくCPUやFPGA等の様々な演算装置で処理を並列化できます

C#で作られているメリット

  • 開発環境の構築が容易で、プログラミング初学者にも学びやすい言語です
  • WindowsFormやUnity等、処理結果を視覚的に表示するための選択肢が豊富です
  • PCや携帯、組み込み機器等、様々なプラットフォームに向けたアプリケーションの開発ができます

このライブラリについて

このライブラリの基幹部分はChainerを参考に実装されています。 その為ほとんどの関数パラメータがChainerと同じになっており、Chainer向けのサンプルを参考に開発することが可能になっています。

License



Unityでの利用も想定されているようなので、ちょっと試してみたいな。

2018年8月 追記:じんべえざめさんがKelpNetを使った学習記事を公開している↓
https://jinbeizame.hateblo.jp/entry/kelpnet_intro
https://jinbeizame.hateblo.jp/entry/kelpnet_xor
https://jinbeizame.hateblo.jp/entry/kelpnet_opencl_gpu
https://jinbeizame.hateblo.jp/entry/kelpnet_cnn
https://jinbeizame.hateblo.jp/entry/kelpnet_vgg
https://jinbeizame.hateblo.jp/entry/kelpnet_transfer

2019年3月 追記:KelpNetをUnityで使うQiita記事↓
https://qiita.com/yanosen_jp/items/4ca7d16908f0956ef7d8

関連記事

OpenCVで顔のモーフィングを実装する

viser:Pythonで使える3D可視化ライブラリ

Caffe:読みやすくて高速なディープラーニングのフレームワ...

Raspberry Pi 2のGPIOピン配置

OpenCVでカメラ画像から自己位置認識 (Visual O...

Regard3D:オープンソースのStructure fro...

Raspberry Pi 2を買いました

FCN (Fully Convolutional Netwo...

株式会社ヘキサドライブの研究室ページ

SVM (Support Vector Machine)

法線マップを用意してCanvas上でShadingするサンプ...

Unityの薄い本

Javaで作られたオープンソースの3DCGレンダラ『Sunf...

Pylearn2:ディープラーニングに対応したPythonの...

Python.NET:Pythonと.NETを連携させるパッ...

HD画質の無駄遣い

Physics Forests:機械学習で流体シミュレーショ...

BlenderProc:Blenderで機械学習用の画像デー...

OpenMVSのサンプルを動かしてみる

Unite 2017 Tokyoに行ってきた

R-CNN (Regions with CNN featur...

機械学習での「回帰」とは?

OpenCVの顔検出過程を可視化した動画

OpenCV 3.1から追加されたSfMモジュール

オープンソースのロボットアプリケーションフレームワーク『RO...

RefineNet (Multi-Path Refineme...

C++始めようと思うんだ

GAN (Generative Adversarial Ne...

NeuralNetwork.NET:.NETで使えるTens...

WordPressのテーマを自作する

TeleSculptor:空撮動画からPhotogramme...

fSpy:1枚の写真からカメラパラメーターを割り出すツール

C++ 標準テンプレートライブラリ (STL)

SSD (Single Shot Multibox Dete...

OpenCV 3.1のsfmモジュールのビルド再び

Accord.NET Framework:C#で使える機械学...

iPhoneアプリ開発 Xcode 5のお作法

Fast R-CNN:ディープラーニングによる一般物体検出手...

書籍『イラストで学ぶ ディープラーニング』

iOSデバイスのためのフィジカル・コンピューティングツールキ...

ROMOハッカソンに行ってきた

書籍『仕事ではじめる機械学習』を読みました

コメント