今年も1年の振り返りと反省。
昨年の5月に新型コロナ感染症が5類扱いとなって、今ではマスクをしている人の方が少数派だ。2024年はもうコロナ禍だなんて誰も思っていないのだろうか。今は入り口に消毒液を設置しているお店もかなり少ない。オイラは今でも頑なにマスクをしているが、職場では「意識が高い」と言われる始末。
マスクなどの感染予防をする人が減って、今年の冬は特に東京でインフルエンザが大流行中。
部署異動
仕事では4月に部署異動して人間関係や仕事内容が変わった。だが、順応するのにさほど苦労せず、ストレスも少なかった。もともとの専門知識を拠り所にできたので新しい知識の補充はスムーズだった。
ストレスは少なかったというか、より正確に言うとこれは「退屈」という感情だった気がする。
これはちょうど10年前にも感じた感覚で、雑な部署から整った部署へ移ると急激に負荷が減るのだ。整った部署は自分の役割を理解するのが楽なので責任範囲や成果の測り方をすぐに習得できる。結果として速くキャッチアップできて信頼も積み上げやすい。
逆に、運営が雑で責任分界点が上長の気分で変動し続けるタイプの部署は、自分の裁量範囲が見えないので保守的な働き方になる。結果として「指示待ち人間」のレッテルを貼られることもある。運営が雑なマネージャーは気分で急にマイクロマネジメントを始めたりするので質が悪い。
自分を情報流通のボトルネックに置くことで他人を支配するタイプの上長に当たると、どれだけ人員を集めたところで大した成果が出なくなる。
一方で、運営が雑であるが故の自由度というのもあり、雑な部署の方が新しい技術分野や専門分野を横断するような仕事に携われるチャンスは多い。物事を雑に捉える分、目新しいものに飛びついたり幅が広くなる。その代わり、とことん長く深く追求するのは難しくなる。
昨年気づいたが、オイラが興味を持つ仕事は雑な運営の部署であることが多い。
運営が整ったまま分野横断できる職場は無いものか。幅と深さをそこそこ両立したキャリアを目指したいところ。
今の会社での部署異動は初めてだが、前の会社では何度も異動を経験しているので今は部署の運営の質を相対的に測ることができるし、なんとなくパターンに類型化できるようになった。こういう感覚を会得するのが「ベテランになる」ということなのだろうか。
活動
昨年末や年始に今年の目標を定めきれずに放置したのもあり、今年は時間をあまり有意義に使えなかった気がする。部署異動して残業が減り、可処分時間が増えたのに「期待したほど充実しなかった」という実感。充実とは、進捗や出来高の面。
昨年から継続していることはあるものの、今年プライベートで新しく始めたことはあまりない。
ジム通い
とりあえず昨年に引き続きジム通いは継続しているものの、昨年ほど熱心ではなかった。1日あたりの負荷を下げるため、筋トレ(無酸素運動)とランニング(有酸素運動)を別日に分けるようになった。2日で1セットで、それを原則週2セットとしたが、映画館の上映スケジュールを優先するようになって割とサボり気味だった。
6月にほとんどジムに行っていないのは、仕事での出張や課外活動があったから。
今は筋トレに約2時間、有酸素運動はランニング35分+クールダウン5分かけている。筋トレも分割して2日に分けた方が時間の融通は効きやすいかもしれない。それだとジムに行く頻度が週6日になってしまうが。
本来トレーニングは食事とセットで考えた方が良いのだろうけど、食事への関心がとても薄い。
課外活動
異動前の部署の同僚に誘われて6月は半分仕事半分プライベートな活動をした。普段の仕事のように分業で一部のみを担当するのではなく、小規模ながら最初から最後まで自分1人で完結するアウトプットは久しぶりの体験だった。(誘われて参加したのにチームプレーではなく個人技)
普段の仕事では作る前からコミュニケーションを多く重ねるが、この課外活動では作った後にコミュニケーションすることができた。「コミュニケーションを通じて作る」ではなく「作ったものでコミュニケーションする」は普段の仕事の役割上あまりできない行為。
普段の仕事ではコミュニケーションのために頑張って言語化して理屈で整理しているのだが、その結果コミュニケーションが理路整然とし過ぎるのか「やる気が感じられない」と言われがちだった。
だが、この課外活動では言語化をスキップして作ったアウトプットの「熱意」なるものを評価されて不思議な気持ちになった。「作ったもの」からコミュニケーションすると、自分では上手く言語化できない要素もアウトプットに込められるのだろうか。オイラは言語化がさほど得意でないから、言語化を経て多くの情報が欠落しているのかもしれない。
他の人達のアウトプットを見て、多くの人は特定のフェーズ・部分の仕事のみに習熟しているが故に最終アウトプットへ上手く着地させられないのだと知った。
小さくても個人的に何か作って遊ぶ経験は、アウトプットの着地方法を学ぶ機会になっていたと気づいた。当初の目標と現実問題のギャップに対処する取捨選択の審美眼(?)みたいなものが養われていた。着地を何度も経験すると引き算ができるようになる。
この「着地」という観点に気づいて、これまで仕事で感じていた違和感の正体がなんとなく分かった。
射的と投擲の違い
「アウトプットを着地させる」という考え方は案外一般的ではないようだ。この「着地させる」というのは「射的」に近い考え方で、狙いの定め方や狙いにどれだけ近づいたかでアウトプットを測ることだ。
一方、この課外活動でオイラ以外のほとんどの人は「投擲」のような考え方でアウトプットを測っているように見えた。狙いをあまり定めず、とにかく飛距離を稼ごうとしたようなアウトプットばかりだった。
この「射的」と「投擲」に例えた測り方で、テクノロジーとアウトプットの関係を説明できる気がしてきた。
多くのテクノロジーは投擲のような「量」の尺度でスケールアップを指向するが、「商品」の価値はテクノロジーに人間のテクニックも乗せた「射的」のような尺度で測られる。Googleがコンテンツ系のビジネスに弱い理由もおそらくこの尺度の問題なのだろう。スケールアップの可能性だけを追求しても狙いは定まらない。
昨今の「AIの力で生産性が大きく向上する」という言説は、主に投擲のような尺度で仕事を捉えている。一方で、射的のような尺度で仕事とAIの関係を捉えると、AIによって射程距離が伸びた割には命中精度を高める手段がまだ未熟だ。
誰もが長距離射程の銃を持つ時代が来くると、その命中精度で競う時代が始まる。
この課外活動では本業の合間を縫って時間を捻出したり徹夜したり、会社の都合(?)による限界も知りもどかしくも感じたが、このアウトプットをきっかけに色々な人と関わることができて学びは多かった。
勉強
昨年のNeRFの記事のように、今年は3D Gaussian Splattingの解説記事を書いた↓
ただ、世間の流行から1年遅れている。
遅れているなりに自分で概念のビジュアルを描き起こして記事を書いたが、もともと仕組みがシンプルな手法なのでむしろ数式周りをもっと詳しく書くべきだったかも。
次はDUSt3Rとかの記事を書こうかな。
TOEIC
今年自分の意志で始めたの唯一昨年と違う行動はTOEIC Listening & Reading公開テストの受験。とはいえ、TOEICの受験自体は初めてじゃないし、点数は以前と大きく変わっていない。
転職活動用に点数の証明書が欲しかったのだが、あまり良い点数ではないので武器にならない。
趣味・娯楽
映画
今年は映画館に行き過ぎた。今年は統計的に振り返ってみようと思ったきっかけは、ジムのトレーニング記録と同じように個々の瞬間ではなく「積分」で捉えてみたくなったから。
仕事が忙しかった時の感覚が抜けないのか、まとまった時間の使い方が下手になった気がする。映画鑑賞はほんの2~3時間で充実を得るには良い娯楽だが、まとまった時間を使えるチャンスを自ら放棄して細切れにしてしまった。映画館の上映スケジュールを優先してしまうと、その隙間に収まる活動しかできなくなってしまう。
イベント
コロナ禍以降控えていたワンフェスへ行くのを今年から再開。コロナ前とはチケットや入場方法の運営がだいぶ様変わりしていた。
以前から存在は知っていたが行ったことのなかったイベントに初めて行ったりもした。
こうして振り返ってみると活動的だったような気もするが、映画鑑賞も含めてこれらは要するに大量消費なのである。オイラが重視するのはアウトプットの充実感。
模型
ブログに制作記事は書いていないが、今年はSMPを結構パチ組みした。合体する追加メカが続々と発売されるので長く楽しめる。
今年発売されたメカゴジラのプラモデルはちゃんと改造・塗装して仕上げようと思って色々工作している。
メカゴジラのプラモデルをきっかけに、似た仕様のガメラのプラモデルにも手を着けた。
CG
ZBrush作業は軽く触れた程度で、ほとんどのものは1年以上も放置している。
AccRIGでちょっと遊んでみた pic.twitter.com/BTggqJV8w0
— NegativeMind WIP (@NegativeMindWIP) September 7, 2024
未完成のまま放置したデータが沢山。
PC上での作業をあまりしなくなったのは、ストレージの空きが減って自由に作り散らかせなくなってきたのもある。
物理空間も同様で、積読、積モデル、物で溢れて身動きが取れない。
時間の使い方
今年1年間何にどれだけ時間を使っていたか、できればもう少し統計的に振り返りたいところではあるが客観的な記録が無い。来年はどうにかしてもっと詳しい行動記録を残したいところ。
ジムにしても映画館にしても、1度その場へ行って始めてしまえば基本的に途中離脱せず1回分最後まで完了する。移動を伴い場所を変える活動は、仕組みで途中離脱を防いでいるとも言える。イベントへ出向くのもそうだ。
行こうかどうか悩み始めると無駄に時間を浪費してしまう(笑) 深く考えず行ってしまえば良いのだ。この「行ってしまえば途中離脱しにくい」仕組みを上手く利用できないだろうか。そういう点では、他人が絡む用事の方が完遂しやすいのだが、オイラはあくまで個人活動での達成を
生活
暮らしの面では、仕事が最も忙しかった2月頃の雑な暮らしに慣れてしまい、セルフネグレクトが常態化。すっかり「風呂キャンセル界隈」である。
昨年よりも出社する機会が増えたので辛うじて出社前にはお風呂に入っているが、人に会う予定がない限りお風呂に入る気になれない。
ジム通いのおかげか、今年の健康診断の数値は割と良かった。健康のことを考えると、食事についても記録して反省材料にすべきだろう。めんどくさくてろくな食事をしていない。
出費と資産運用
部署異動して残業が減って可処分時間は増えたが、可処分所得は減った。
色々なものが値上がりして、日々の出費はむしろ増えている。ボーナスが入っても日々の補填で終わってしまう。できれば新しいiPad Proが欲しいところだが、外資のガジェットはとても高い。
新NISA制度が始まり、昨年よりも積立NISAに回す額を少し増やしてみたがちょっと苦しい。保有している米国株式はNVIDIAだけが好調。物価上昇が激しいので、ひと昔前の尺度で資産額を測るべきではなさそうだが。
2024年の各振り返り記事を振り返る
昨年から、毎月の振り返り記事に仕事のことを書かなくなったのもあるが、今年はメインがだんだん観た映画の話題に移っている。それはサムネイル画像からも明らか。
オタクの定義として「生活において趣味・娯楽の優先順位が高い」というのがあるらしいが、完全に当てはまっている。
AIの活用
昨年からChatGPTに課金しているが、今年からPerplexityも課金して使うようになった。Google検索の質が落ちてからもっぱらチャットAIを検索代わりに使用していたが、最近は少しずつ自分の思考の整理の補助にチャットAIを利用できないか試すようになった。
せっかくChatGPTに課金しているのだから、GPTsというものを試してみようかな。日々メモしている散文を整理して自分の思考をクリアにするツールを作りたい。
2025年の目標
2024年は年始の段階で目標を定められないまま1年過ごしてしまった反省から、2025年は暫定でも良いから目標を立てて少しずつ精緻化していくことにする。
ということで、暫定目標は以下↓
- 運動習慣の継続
- 転職
- アウトプット(創作)の習慣化
ここ数年思っていることは基本的に変わっていない。とりあえず健康第一ということで運動は継続する。(もう特別書かなくても良いか?)
アウトプット習慣については「着地」の経験が大事な気がする。
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