オープンソースの物理ベースレンダラ『Mitsuba』をMayaで使う

オープンソースのグローバルイルミネーションレンダラのMitsuba

Mitsuba – physically based renderer

Mitsubaは、PBRTのスタイルに則った研究指向のレンダリングシステムで、多くのインスピレーションを得ています。
Mitsubaは移植性の高いC++で記述されており、偏りのない手法と偏りのない手法を実装し、現在のCPUアーキテクチャを対象とした高度な最適化が含まれています。
Mitsubaは非常にモジュール式です:コアライブラリの小さなセットと、マテリアルや光源から完全なレンダリングアルゴリズムに至るまでの機能を実装する100種類を超えるプラグインで構成されています。

他のオープンソースレンダラーと比較して、MitsubaはMetropolis Light Transportのパスベースの定式化やボリュメトリックモデリングアプローチなどの実験的レンダリング技術に重点を置いています。
そのため、まだ主流のレンダラーへの道を見つけていないようなテクニックを試してみたい人にとっては本当に興味があるかもしれませんし、この領域での研究のための強固な基盤も提供します。

このレンダラーは現在Linux, MacOS X, Microsoft Windowsに対応し、x86, x86_64プラットフォームでのSSE2最適化を利用しています。
これまでのところ、その主な用途はコンピューターグラフィックスのアルゴリズム開発のテストベッドとしてでしたが、他にも多くの興味深いアプリケーションがあります。

Mitsubaには、シーンをインタラクティブに探索するためのコマンドラインインターフェイスとグラフィカルフロントエンドが付属しています。
ナビゲート中、大まかなプレビューが表示され、すべての動きが停止するとすぐに精度が向上します。
視点が選択されると、幅広いレンダリング技術を使用して画像を生成し、それらのパラメーターをプログラム内から調整できます。

ソースコードはGitHubにある↓
https://github.com/mitsuba-renderer/mitsuba



いつか試そうと思ってだいぶ時間が経ってしまったんだけど、MitsubaにはMayaと連携するためのプラグインもあるので試してみた。
https://github.com/mitsuba-renderer/mitsuba

ところが、このプラグイン、想像してたのと違って、あんまり連携感がない。Maya上のオブジェクトを描画できるわけだけど、もろもろの設定はMayaのGUIではなく、結局xmlの設定ファイルを直接いじるタイプだった。(MayaのGUI上でxmlを編集するエディタが立ち上がる。)

そんで、もうちょっと調べてみたら、有志(?)でMitsubaをPythonでラップしてプラグインっぽくした人がいた。→Installing MitsubaForMaya
プラグインコード(Python)とサンプルプロジェクトがGitHubに上がっている。→MitsubaForMaya

で、やってみた。このプラグインは外部のMitsubaのexeを呼び出す操作をラップしてMayaのGUI操作ライクにしてくれてるんだけど、コードの中に絶対パスを書いていて、エラーまみれになった。GUIはよくできてたんだけどね。もうちょっと中身読めば修正できそうな気もする。

で、いったんMayaで動かすのはあきらめて、MitsubaのスタンドアローンのGUIアプリを実行してみた。レンダリングするシーンファイルのサンプルが公式のダウンロードページに置いてある。試したのは毛糸のマフラーみたいなやつSiggraph2010で発表されたこの論文のデータね。

サンプルのscarfシーンをMitsubaでレンダリングした。

サンプルのscarfシーンをMitsubaでレンダリングした画像をPhotoshopで補正した。



まるで実写みたい。
Pythonのインターフェイスがあるみたいだから、上手く使えばAPIっぽく自前のプログラムから使えると思うんだけど、なかなかサンプルが見当たらない。

http://rgl.epfl.ch/publications/NimierDavidVicini2019Mitsuba2

2019年 追記:Siggraph Asia 2019でMitsuba 2が発表された↓
Mitsuba 2:オープンソースの物理ベースレンダラ
5年前にオープンソースの物理ベースレンダラ「Mitsuba」でちょっと遊んでみたことがあった↓Siggraph Asia 2019でMitsuba 2が発表されたらしい↓Mitsuba 2: A Retargetable Forward a...

関連記事

OpenCVの顔検出過程を可視化した動画

Gource:バージョン管理の履歴を可視化するツール

Physics Forests:機械学習で流体シミュレーションを近似する

Physically Based Rendering

HTML5・WebGLベースのグラフィックスエンジン『Goo Engine』

3分の動画でプログラミングを学習できるサイト『ドットインストール』

書籍『The Art of Mystical Beasts』を購入

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 壊れたデータの救出

チャットツール用bot開発フレームワーク『Hubot』

ZBrushの練習 手のモデリング

fSpy:1枚の写真からカメラパラメーターを割り出すツール

Rerun:マルチモーダルデータの可視化アプリとSDK

ZBrushで仮面ライダー3号を造る 仮面編 リファレンス画像の表示

OpenCV 3.1から追加されたSfMモジュール

Webサイトのワイヤーフレームが作成できるオンラインツール

HD画質の無駄遣い

フォトンの放射から格納までを可視化した動画

PythonのHTML・XMLパーサー『BeautifulSoup』

第1回 3D勉強会@関東『SLAMチュートリアル大会』

Zibra Liquids:Unity向け流体シミュレーションプラグイン

AndroidもopenGLも初心者さ (でもJavaは知ってるよ)

ニンテンドー3DSのGPU PICA200

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 頭頂部の作り込み・舌の追加

ROSの薄い本

自前Shaderの件 解決しました

NeuralNetwork.NET:.NETで使えるTensorFlowライクなニューラルネットワー...

OpenCVのバージョン3が正式リリースされたぞ

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 首回りの修正・脚の作り込み

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のVFXブレイクダウン まとめ

グローバルイルミネーションに手を出す前に、やり残したことがあるんじゃない?

DCGAN (Deep Convolutional GAN):畳み込みニューラルネットワークによる敵...

UnityでTweenアニメーションを実装できる3種類の無料Asset

日立のフルパララックス立体ディスプレイ

ZBrushでカスタムUIを設定する

Geogram:C++の3D幾何アルゴリズムライブラリ

ZBrush 2018での作業環境を整える

Maya LTのQuick Rigを試す

ZBrushでアヴァン・ガメラを作ってみる 頭頂部と首周りを作り込む

Iridescence:プロトタイピング向け軽量3D可視化ライブラリ

PolyPaint

clearcoat Shader

WinSCP

コメント