書籍『ジョージ・ルーカスのSFX工房』

またちょっとした思い出話。

まだハリウッドでもCGじゃなくて、ミニチュアで素材を撮って合成するSFXが全盛だった頃、ジョージルーカス率いるILM(Industrial Light & Magic)を扱ったメイキング書籍がいくつか出ていた。
このジョージ・ルーカスのSFX工房もその1つ。この本とは小学生の頃に図書館で出会った。原著は”Industrial Light & Magic: The Art of Special Effects“で1987年刊行。



これについて語るには、オイラが特撮屋ワナビーであったことを告白しなければならない。オイラは小学生の頃から、特撮の仕事に憧れ、特撮の情報に飢えていたのだ。そんな時に図書館でこの本を見つけた。


スポンサーリンク


造形のデザインが完成へ向かう過程や、宇宙船のミニチュアの電飾方法、モーションコントロールカメラ、マットペインティング、オプティカル合成など、当時のILMの技術の詳しく紹介した内容だった。

その中に、ミニチュアの爆発を撮影する際、カメラのシャッタースピードを決定する目安を求める計算式が載っていた。平方根が含まれたその計算式は、まだ算数しか習っていなかった当時のオイラには、すごく背伸びをした知的な情報に見えた。まあ、今見るとすごく単純な式で、最近のCGの物理シミュレーションで出てくる流体力学の方程式の方が遥かに難しいけど。
そもそも、オイラはそんなシャッタースピードを調節できるカメラなんて持ってはいなかったのに、何故かメモした記憶がある。

後にこのジョージ・ルーカスのSFX工房は、大学生の頃に紀伊国屋の一掃セールで見かけて購入したのである。

この手の海外のSFXメイキング本だと、平成ゴジラVSシリーズの特技監督でお馴染みの川北紘一が監訳した「特撮 クリエイト ハンドブック」という訳本もあった。メチャクチャ読みにくい日本語だったけど。さすがにこれはAmazonでは買えないみたいね。

特撮クリエイトハンドブック

そして時代は流れ、特撮(SFX)はVFXへと変わっていった。
今ではオプティカル合成はデジタル合成に置き換わり、ILMもCGがメインのVFX会社となった。ILMもずば抜けた会社ではなくなり、数ある大手VFX会社の1つという存在になった印象。

当時のSFX技術も、今では「アナログ」なんて呼ばれて伝統芸能みたいなポジジョンになりつつある。その辺をカバーした純和製の書籍が出てはいる。



スポンサーリンク

関連記事

ガワコス
六本木ヒルズの『空想脅威展』を見てきた
ジュラシック・パークの続編『ジュラシック・ワールド』
最高にカッコイイガラス細工
ZigBee
キャリアの振り返り
2015年10月21日
映画『ミュータント・タートルズ』を観てきた
書籍『メモの魔力』読了
劇場版『仮面ライダーエグゼイド トゥルーエンディング』を観た (ネタバレ無し)
映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のVFXブレイクダウン まとめ
映画『ブレードランナー 2049』のVFX
エンジニア向けの転職サイトが凝っている件
4K HDR『ガメラ 大怪獣空中決戦』
2019年10月 行動振り返り
CGWORLD CHANNEL 第21回ニコ生配信は『シン・ゴジラ』メイキングスペシャル!
ゴジラ(2014)のメイキング
昔Mayaでモデリングしたモデルをリファインしてみようか
海外ドラマのChromaKey
書籍『GODZILLA GRAPHIC COLLECTION ゴジラ造型写真集』が出るぞ
ゴジラ(2014)の音響効果のメイキング
リメイクコンテンツにお金を払う歳になった
今年も怪獣大進撃
ブログをwpXレンタルサーバーからwpX Speedへ移行
映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を観た
『特撮のDNA 平成ガメラ3部作』を見てきた
東映特撮BBを不便に感じてしまう…
書籍『ゴジラの工房 若狭新一造形写真集』
映画『シン・ウルトラマン』 メイキング記事まとめ
『THE仮面ライダー展』を見てきた
クライマックスヒーローズ
ウルトラマンパワードがBlu-Ray Box化!
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のVFXブレイクダウン
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』"あのキャラクター"のメイキング
かっこいい大人にはなれなかったけど
映画『仮面ライダー1号』のビジュアルが公開された!
映画『ゴジラ-1.0』のティザー映像!
Photoshopで作る怪獣特撮チュートリアル
アスペルガー症候群 WEB自己診断
実写版『進撃の巨人』を観た (ネタバレあり)
書籍『映画監督 坂本浩一 全仕事』読了
映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』を観た (ネタバレ無し)

コメント