一応、デジタル写真ネイティブではなく、銀塩時代もそこそこ知っている世代である。モノクロなら現像から印画まで経験がある。
最近割と当たり前になった、デジタル一眼レフカメラで撮ったRAWファイルを後で画像ファイルへ変換するプロセスは、確かに銀塩写真の撮影・現像・印画のプロセスと感覚が似ている。撮影時にちょっとミスっても、印画で結構挽回できたりする。もちろん、逆に画を台無しにしてしまうこともあるが、上手くやると、写真の持つある種の生々しさが蘇ったりもする。この生々しさは構図とは別の表現力で、「質感」と呼んだ方が近いかもしれない。
時間が経ったフィルムを後から見返すと、当時の自分には見えていて、今の自分には見えづらくなった要素に気づく。逆に、当時は意識していなかった要素が見えるようになっていたり。
過去のデータを整理していて、今の感覚で現像したら違う質感が見えてきそう、と感じることが何度かあった。これはそんな1枚。
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