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書籍『絵はすぐに上手くならない』読了

読了と言いつつ、各章は自分の現在のレベルに合わせて都度読み返したい構成の本書。もともと、ゴールデンウィーク中にTwitterで話題になっていたので購入した。
http://togetter.com/li/970487

この「絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法」はいわゆる技法書ではなく、絵を学ぶための思考と方法を論じている珍しい書籍。そこそこ大人の人へ向けた、効率良く絵を上達させる勉強法の指南書といったところ。

絵はすぐに上手くならない

絵を描くプロセスの中にどんな能力が必要となるのか、明確に分解して論じている書籍に初めて出会った。そうだよ、こういう考え方知りたかったんだよ、って感じ。

著者はイラストレーター兼デザイナー兼アニメーターの成冨ミヲリさん。著者自身がいくつかの業種で仕事として絵を描いているからこそ、絵を描く時の目的意識・頭の使い方の違いに気づいたのかもね。



本書は150ページほどで、それほどページ数が多いわけではないけど、技法書と違って「考え方」に比重を置いていて読み応えがある。

絵が上手くなりたいからといって、ただ闇雲に絵を描き続けていてもなかなか上達しない。本書では絵を描く「描画能力」をさらに小さいスキル単位へ分解し、目的別に適切なトレーニングを積むことを推奨している。目的意識も無くスポ根的な根性論で練習しても成長は期待できないのだ。

そのため、本書の第2章では、各スキルのレベルを測るための自己診断テストが用意されており、自分の現在のレベルをレーダーチャート化することができる。
そして、第3章で具体的に個々のスキルを鍛えるためのトレーニング方法が解説されている。

62ページの段階で、現在の自分のレベルを測るために、前知識無しで絵を描くことになるんだけど、特に画材らしいものが手元になかったので改めてクロッキー帳とペンを購入した。





初めて知ったんだけど、本書によると、2Dの絵を2Dの絵へ写し取る「模写」に対して、3Dの立体を3Dの立体へ写し取る「模刻」という訓練方法があるらしい。立体感覚を養う訓練になるのだとか。

なんとなく、今まで模型とか3DCGとかいじってたオイラ自身を振り返ると、立体の形を覚えたり配置を工夫するのが元来好きだったのかもしれないな。


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