日本の特撮技術の話。
操演というのは、ワイヤーアクションや、ミニチュアの操作や火、水、風などの自然現象の演出を担当する仕事のこと。13歳のハローワークにも載っている職業みたい。CGが登場する以前は、特撮技術と言えば、この操演とミニチュア制作が大部分を占めていた。(オプティカル合成とかももちろんあるけど)
ゴジラでおなじみの東宝では火薬などを扱う「特殊効果」とピアノ線などによる操作を行う「操演」に分業されていたらしいけど、基本的には「操演」と言った場合には火薬もピアノ線もミニチュア操作も全てが含まれる。要するに普通じゃ動かせないものを動かして演出するお仕事。
この前のS.H.MonsterArts ガメラ(1996)の発売で色々と思い出してきた。高校生ぐらいの頃、亀甲船という特殊効果の会社の操演技師である根岸泉さんのWeb日記にハマっていたことがある。
根岸さんの個人サイトCRANK-INの中にある操演日記では、根岸さんの操演技師としての仕事の日誌が公開されている。
CRANK-IN
根岸さんは、平成ガメラ三部作や平成ウルトラマンシリーズ、そしてゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃で操演技師を務めていた方。現在もウルトラマンギンガSでも操演技師として活躍されているようだ。この前、NHKの探検バクモンでもチョロッと出てた↓
シュワッチ!特撮の星へ飛べ
爆笑問題よ、特撮の星へ急行せよ!今回は、ウルトラマン最新作の撮影現場を探検、日本が世界に誇る特撮の極意に迫る。
現場に向かった一行は、ピグモンと科学特捜隊に遭遇。“あこがれの人”との対面で、爆笑問題のテンションもMAXに!いよいよ憧れの特撮現場に潜入!ビルや商店街が建ち並ぶ25分の1スケールのミニチュアセットで、手に汗握るウルトラマンギンガと怪獣の激闘を目撃する。特撮の重要な極意が、ビルや怪獣を巨大に見せる仕掛けだ。小さな世界をとてつもなく大きく見せる驚きのトリックとは?さらに、爆笑問題が特別にミニチュアの中へ!重厚で迫力満点の動きを作り出すハイスピードカメラでの撮影から、火薬を駆使した迫真の「弾着」演出まで、特撮を体感する。そこで見えてきたのは、CGでは表現できない「特撮の神髄」だった。
続いて、非公開の伝説の怪獣造型工房にも潜入!人々の“心をつかむ”怪獣創造の秘術を大公開!怪獣の肌の質感を出す意外な物が明らかに。撮影で使われたお宝小道具も続々登場。水曜夜10時55分。あなたの目は、あなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。
確か、根岸さんのサイトの存在を知ったのは、ウルトラマンティガの映画「ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY」の劇場パンフレットだったと思う。いや、ウルトラマンコスモスだったかな?
とにかく、パンフレットにURLが載っていたのだ。
当時はまだ今ほどインターネットが一般的ではなく、ブログのような手軽な個人サイトのブームもまだの頃だった。ちなみにその頃、オイラの家はまだダイヤルアップ回線だった。そんな時代にすでに個人サイトを公開していたことを考えると、かなり先駆的な方だ。
個人サイトの操演日記とは別に、写真と趣味のwebマガジン「マカロニアンモナイト」での連載「今日もカメラは回る」も並行していた。
その後、根岸さんは書籍も執筆されていた。もちろん買った。
これらの情報から知った操演技師という職業が、撮影現場の魔法使いのように思えた。火薬・爆薬を扱えて、鉄骨の溶接ができて、モーションコントロールカメラのプログラムを組めてしまう。どれだけ多岐にわたる専門知識がなきゃ成立しないのか、と。
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コメント
電気、ガス、水道、木工、溶接、デジタル、なんでも出来ないと困るのですが、どれも半可通で、時には八百屋に魚を買いに行くようなマネをして専門家を困らせているのではないかと思ったりもします(^^;)根
え?根岸さんご本人ですか!?
コメントありがとうございます。
こんなこと書いてて何かすみませんごめんなさい。