午前十時の映画祭で1956年公開の映画「空の大怪獣ラドン」の4Kデジタルリマスター版の上映が始まったので観てきた。1954年公開の「ゴジラ」から2年後に公開された初の国産カラー怪獣映画だ。
空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版
解説
『ゴジラ』『モスラ』と並ぶ東宝怪獣映画の代表作。核実験と異常気象の影響で太古の翼竜プテラノドンが突然変異を遂げ、九州・阿蘇山に出現。火口から飛び立ち、自衛隊戦闘機と空中戦を繰り広げた後、福岡に襲来。巨大な翼が巻き起こす突風と衝撃波が街を破壊する。円谷英二特技監督の指揮下、精緻を極めたミニチュア美術が驚異的。
物語
九州・阿蘇。坑道内で炭鉱夫たちが次々と水中に引き込まれて惨殺される連続殺人事件が発生。ある夜、遂に姿を現したその犯人は、体長2メートルを超える古代トンボの幼虫メガヌロンだった。炭鉱技師の河村(佐原健二)は、自衛隊とともに坑道内に逃げ込んだ怪物を追うが、機関銃掃射の衝撃で落盤が発生、生き埋めになってしまう。後に河村は記憶喪失状態で発見されるが、その頃、世界各地で正体不明の超音速飛行物体が目撃されていたー。
こぼれ話
メガヌロンが姿を現す場面や主人公が記憶を失うエピソードは、原爆実験によって巨大化したアリが暴れ回るハリウッド製SF『放射能X』(54)からの影響がうかがえる。ラドンは本作の後、『三大怪獣 地球最大の決戦』(64)、『怪獣大戦争』(65)、『怪獣総進撃』(68)でゴジラと共闘してキングギドラを撃退。平成に入ってからは『ゴジラvsメカゴジラ』(93)、『ゴジラ FINAL WARS』(04)に登場。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19)でハリウッド・デビューを飾った。
昨年、同じく午前十時の映画祭で1961年公開の映画「モスラ」の4Kリマスター版を上映していたし、東宝怪獣映画の4Kリマスターが恒例行事みたくなってきたな。
昨年の「モスラ」もそうだっが、今回初めて「空の大怪獣ラドン」を映画館のスクリーンで鑑賞した。自分が生まれる前に公開された映画はどうしてもそうなる。
オイラが初めて「空の大怪獣ラドン」見たのはレンタルビデオのVHSだった。
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感想
当然ながら、劇場の客層はかなり高齢寄りだった。「空の大怪獣ラドン」を鑑賞するのはかなり久しぶりだ。
殺人事件の真相は? 犯人は絶滅動物? 犯人は怪獣の餌に過ぎなかった? 怪獣襲撃!
と、段階を追って様相が変わっていく物語展開は、まだ「怪獣映画」のパターンが確立されていない時代の試行錯誤を感じると共に現在でも他に類を見ない。
物語の発端が炭鉱なのも時代を感じる。公開当時はまだ活気のある産業だったはずだ。
今年東京都現代美術館で開催された「井上泰幸展」では、クライマックスの福岡・岩田屋周辺のミニチュアセットが復元展示されてた。
クライマックスシーンの特撮映像はウルトラQでも流用されていたよな。
昨年鑑賞した「モスラ」もそうだったが、鑑賞しながら「未開の地には未知の生物がいる」というキングコングから始まる「巨大生物の理由づけ」が流石に現在ではなかなか通用しないかも、と感じた。ここ数十年を経て地球上に「未開の地」はかなり少なくなった。
「空の大怪獣ラドン」の数年後には「地球防衛軍」など「宇宙からの侵略者」というパターンで巨大怪獣(ロボット)が登場するようになるが、それも現実に宇宙開発競争が盛んになり始めた延長のリアリティがあった。
今現在、まだ謎が解明されていないけど自分達の暮らしの延長にありそうな存在って何だろう。案外、人の心とか内面かもな。
このまま毎年恒例で4Kリマスター版が制作・上映されるとうれしいな。(そしてソフト販売もしてほしい)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/rodan_jp_637749c3e4b07a02ca81eceb
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17590903
作りかけで止まっているオリジナルアレンジのラドンを進める意欲がわいた。
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