映画「パワーレンジャー」を字幕版で観てきた。ご存知日本のスーパー戦隊シリーズの海外展開版であるパワーレンジャーシリーズのリブート(?)映画だ。
なので基本的な設定はパワーレンジャースタート当初のものが踏襲されており、デザインも初期のモチーフである「恐竜戦隊ジュウレンジャー」が強く意識されている。キャラクターデザインとしてはジュウレンジャーのハリウッドリメイクと言えるかも。
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パワーレンジャー
原題は”Saban’s Power Rangers”
Sabanというのは東映のスーパー戦隊の海外展開に尽力したハイム・サバン氏および彼の会社であるサバン・エンターテイメントやサバン・ブランドのこと。(ディズニー傘下時代とは区別しているようです)
https://dot.asahi.com/aera/2017071900106.html
http://toyokeizai.net/articles/-/180991
本作は日本のスーパー戦隊のテイストとだいぶ違うけど、予告編で最初に打ち出されたイメージともちょっと違う気がする。最初の予告編ほどジメジメした雰囲気ではない。
ただ、日本のスーパー戦隊の特撮がハリウッドレベルにグレードアップされたものを期待するとちょっと肩透かしを食らうかも。あくまで「パワーレンジャー」を1本の映画として掘り下げて描いた作品と言える。
偶然居合わせた他人同士が、徐々にチームへ、仲間へと成長していく過程が丁寧に描かれていて個人的には好き。絆の芽生えを勢いで片づけず、その過程をストレートに描くドラマを久しぶりに観た気がする。
ストレートなので、ネタバレで楽しみが減るタイプの映画ではないです。パンフレット欲しかったけど、観に行った時は売り切れてた。
で、まあ、本作の最大の魅力は大規模な特撮・アクションシーンではないということなのです。。。
もともと、パワーレンジャーシリーズは日本のスーパー戦隊シリーズよりも対象年齢が少し高めの実写ドラマとして展開しているらしく、それを1本の映画作品として説得力を持たせるにはこういう配分になるんでしょうかね。
http://news.mynavi.jp/articles/2017/07/17/power-rangers/
なので、日本のスーパー戦隊と比較して語るのも野暮な感じはするけど、一応変身後のアクションシーンや巨大ロボ戦について言及しておく。
地球存亡危機という規模だけど、戦闘シーンのロケーションは大都市ではなく、鉱山や田舎町というビジュアルが特にジュウレンジャー当時のスーパー戦隊っぽい。高層ビル群が無い分、逃げ惑う群集とゾード、メガゾードの戦闘の距離がとても近く感じられる。何人か踏みつぶしてしまわないか心配になるぐらい。
ゾード、メガゾードは実写版トランスフォーマーのようなハイディティールメカとしてデザインされており、日本のスーパー戦隊の感覚で見るとちょっと脆そうにも感じた。ダメージ表現もリアルなのでよりそう感じるのかも。
アクションシーン全般に言えることだけど、いわゆる日本的な、名乗りや見得を切るような「静」のケレン味は無く、ひたすらスピーディーでダイナミック。それもあってゾードの戦闘は実写版トランスフォーマーを彷彿とさせる。
そして、個々のアイテムやロボットのギミック描写に重きを置いていないので、観終わっても案外おもちゃが欲しくならない(笑)
日本のスーパー戦隊シリーズだったら、変身シーン、ロボットの合体シーン、必殺技をこういう描き方しないだろうなぁ、と。
それは、映画全体のストーリー進行を重視した結果なのだろう。下手にケレン味を打ち出すと、せっかく積み上げてきたドラマの流れをぶった切ってしまうわけだし。
https://oriver.style/cinema/power-ranger-producer-interview/
パワーレンジャーの映画はすでに2作あるらしい。こちらはテレビシリーズの延長の劇場版。1996年の映画は見たことあったけど、パワーレンジャーターボ(激走戦隊カーレンジャー)も映画があったんですね。
2018年2月 追記:Blu-rayはディスク1枚で割と質素な構成だけど、映像特典の未公開シーンはグッとくる。
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