「機動警察パトレイバー2 the Movie 4DX」を観てきた。
ここ最近リバイバル上映されている平成ガメラとは脚本の伊藤和典氏つながりですね。
実は昨年7月に「機動警察パトレイバー the Movie 4DX」も観に行った。コロナ禍になってから、この手のリバイバル上映を観に行くことが増えた。新作映画の公開予定が不透明になった反動でもある。
確か、オイラが初めてパトレイバーの劇場版2作を観たのはNHK BS2の押井守特集だった気がする。
名作と呼ばれ、その後何度も引用される過去の有名作品も、世代がズレると追体験しづらいのが映画の難しいところ。家のテレビでは何度も視聴したことがあるけど、劇場のスクリーンで観たことはない作品は沢山ある。
家庭のテレビは時代と共にどんどん高解像度化しているけど、音響面はむしろチープ化しているように思う。映画館並の音響を家庭で楽しむハードルはむしろ上がっているのではないか?
そういう点では、スター・ウォーズ特別篇みたいにリニューアル版が制作・公開されると名作の体験が世代を超えて語り継げる。(修正されまくってオリジナルとはまた別物と言えなくもないですが)
「機動警察パトレイバー the Movie」が公開されたのが1989年、「機動警察パトレイバー2 the Movie 4DX」が公開されたのが1993年。
4DX上映されたのはどちらも1998年のDVD化に合わせて制作された5.1chのサウンドリニューアル版だし、現在の映画館の設備と公開当時では映像の見え方もかなり違うと思う。
4DXの演出が蛇足に思える面もあった。静かなシーンだと4DXの演出に伴う機械の音が気になってしまった。
とはいえ、この作品が映画館で集中して観賞する前提の情報密度で作られているのはよく分かるのだ。というか、何度か見返したくなるほどの密度。(だから未だにファンが多いわけですが)
派手な戦闘シーンは少ないけど、立体的に描かれる東京の風景から感じる歪さや時の流れみたいなものは大きなスクリーンだからこそ。
家の小さいテレビで観ていると、風景に重なる小難しいセリフに意識を全部持っていかれる(笑)
東京が戦争という異常な状況へと変化してもなお、通勤ラッシュなどの日常が継続される光景が、今のコロナ禍、緊急事態宣言下と重なって見えた。
非常な事態も長引けば日常の風景の一部になっていく。大多数の人は生きていくために「日常」を止めるわけにいかないのだ。泳ぎ続けなければ死んでしまうマグロのよう。
映像として描かれるのはあくまで後藤隊長を中心とした現場レベルの視点で、国家レベルの大きな動きは当事者が登場せずにセリフだけで語られて、政治的な事態の全貌は俯瞰の視点で見せない作りになっている。(シン・ゴジラのように、主人公が政治家という作品の方が珍しいか)
本作をテレビで初めて観た時は、政治的な動きがピンと来なかったのを思い出した。
その後、今作のストーリーの元ネタ(?)となったパトレイバー最初のOVA(アーリーデイズ)の「二課の一番長い日」前後編はNetflixで観た。現在はNetflixでパトレイバーが見れなくなって残念。
最初のOVAから30年経った現在でも公式サイトが作られてニュースが更新されてるってすごいよな。
https://patlabor.tokyo/
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