みんな「社会人」という存在を美化し過ぎだと思う。大体、美化している本人も含めて過半数は社会人なんだから、そんなにキレイなはずがないのに。就職した途端に「学生と違って社会人とは~」みたいなことを語る輩も後を絶たないけど、そんな急激にお前が変化できるわけないじゃんか。
結論から言うと、オイラはもう「社会人」になるのを諦めました。
以前も書いたんだけど、オイラが就職活動中の頃、社会人基礎力なんて言葉を掲げて採用活動を行っている企業もあった。当時と今でだいぶ見え方が変わってきた気がする。
この「社会人基礎力」は、経済産業省が2006年に定義したもので、たぶん暗黙に使われている「社会人」という言葉の指す存在が備えているべき基本スキルを後から明文化したもの。まあ、逆算だよね。
「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年から提唱しています。企業や若者を取り巻く環境変化により、「基礎学力」「専門知識」に加え、それらをうまく活用していくための「社会人基礎力」を意識的に育成していくことが今まで以上に重要となってきています。
ぶっちゃけ、今の思うとこんな能力が必要ない仕事なんて沢山あると気がするけど、就職活動していた頃はこれが備わっていなければ社会人失格みたいな捉え方をしていた。建前上、「基礎」と定義されているから、学生の頃のオイラは誤解していたわけです。就職後もしばらくそう思っていた。
より具体的には、以下のような能力が定義されている。
前に踏み出す力(アクション)
- 主体性(物事に進んで取り組む力)
- 働きかけ力(他人に働きかけ巻き込む力)
- 実行力(目的を設定し確実に行動する力)
考え抜く力(シンキング)
- 課題発見力(現状を分析し目的や課題を明らかにする力)
- 計画力(課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力)
- 創造力(新しい価値を生み出す力)
チームで働く力(チームワーク)
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- 発信力(自分の意見をわかりやすく伝える力)
- 傾聴力(相手の意見を丁寧に聴く力)
- 柔軟性(意見の違いや立場の違いを理解する力)
- 情況把握力(自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力)
- 規律性(社会のルールや人との約束を守る力)
- ストレスコントロール力(ストレスの発生源に対応する力)
働くようになってから、実際にこの能力が備わっていそうな人にはほとんど遭遇しなかった。ごく稀に、割と出世している人の中にそれらしい人が混じっていることはあったけど、「基礎」ではなく正直に「理想」と言ってほしかった。今になって思えば、求める人物像ってのは、存在しないユニコーンみたいなスペックになりがちだってことは分かるんだけど。愚直に目指そうとしても疲弊するだけだ。これを全て備えている人がいるとしたら、その人は他の何かが大きく欠落しているんじゃないだろうか。
身近に、全方位に対して社会人面を保とうとしている人がいた。その人は確かに色々な人から感謝され、信頼されていた。だが、その人本人は全てを抱え込み、取捨選択ができずにオーバーフローしていた。オイラはそのとばっちりをモロに受けた。
状況によって優先順位があるということ、社会性は時に自分自身を滅ぼすということを学んだ。ここで心と身体を壊してから、ある程度の社会性を切り捨てる覚悟を決めた。自分に社会人をやるのは無理だと。
相手の意見を聴いているうちに、相手のわがままを許す関係になってはいけない。そこで我慢してしまうと、相手は平気でわがままを押し通してくる。わがままはやがていつものやり方となり、いつの間にか力関係が固定化してしまう。時には殴り返すことも必要だし、初対面で殴り合った方が、後に良い関係を築けることもあると思う。
社会性は最優先ではない。おまけにすぎない。自分が消えてしまってはいけない。
もう社会人なんて目指さない。
さて、ちょっと調べたら、社会人基礎力育成グランプリなんてものをやっているらしい。
社会人基礎力育成グランプリ
経済産業省は、大学生がゼミ・研究室単位で、授業を通じてどれだけ社会人基礎力が伸びたかチームで発表し、その成長度合いを競う「社会人基礎力育成グランプリ」を開催しています。
いい感じに迷走してますね。
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